工藤と槙原は愛知の“同期”
名古屋電気高時代の工藤
プロ野球が始まった1936年から参加している
中日の“城下町”といえる愛知県。地元の中日でプレーする選手も他の都道府県に比べて圧倒的に多いが、中日ではないチームにも多くのエースを輩出している。中日で活躍した投手だけでも中京商(現在は中京大中京高)の
野口二郎、岡崎高の
近藤貞雄ら古い時代の投手から21世紀に西尾東高の
岩瀬仁紀、常滑北高の
浅尾拓也ら、現役にも愛知高の
祖父江大輔、中部大一高の
田島慎二、横須賀高の
福谷浩司らがいる。
とはいえ、やはり筆頭は国鉄(現在の
ヤクルト)と
巨人で通算400勝を残した享栄商高(現在は享栄高)の
金田正一になるだろう。金田は中退してプロへ転じたが、地元の中日で初登板ノーヒットノーランの離れ業を見せた
近藤真一は後輩となる。プロの後輩では巨人に
槙原寛己、ヤクルトには現役の
小川泰弘。金田より前、1リーグ時代には一宮高から
森弘太郎(阪急、現在の
オリックス)や
林安夫(朝日)が活躍していたが、同じ時期にも半田商(半田商高)から
長谷川良平(
広島)、挙母高から
杉浦忠(南海。現在の
ソフトバンク)がエースに。また、金田の実弟でもある
金田留広は愛知高の出身だ。
左腕の後輩としては名古屋電気高(愛工大名電高)の
工藤公康(
西武ほか)。工藤が監督として率いたソフトバンクでエースとなった
千賀滉大は蒲郡高の卒業。ちなみに愛工大名電高ではエースだったが、プロで打者として頂点に立ったのが
鈴木一朗、つまりイチロー(オリックス)だ。
一方、個性的な投手が多いのが隣接する静岡県だ。独特の落差が大きいカーブが武器だった清水工高の
稲葉光雄(中日ほか)や吉原商高の“鉄仮面”
加藤初(巨人ほか)、日韓で活躍した静岡商高の
新浦寿夫(壽夫など。巨人ほか)に南海“山内トリオ”に並んだ浜名高の
山内和宏、日曜日の登板で“サンデー晋吾”と呼ばれた御殿場西高の
小野晋吾(
ロッテ)、メジャーでもプレーしたサブマリンで静清工高の
牧田和久(
楽天ほか)ら。現役には通算163セーブを挙げている静岡高の
増井浩俊(オリックス)もいるが、同じくリリーバーの
赤堀元之(近鉄)は静岡高の先輩だ。
文=犬企画マンホール 写真=BBM