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プロ野球記録ノート

増田達至、平野佳寿、松井裕樹が27セーブで1位に並ぶパ最多セーブ争いが面白い【プロ野球記録ノート】

 

ペナント同様、先が読めない展開


パは増田[写真]、平野、松井の3人が27セーブで並んでいる


 最多セーブのタイトル争いがし烈になっている。特にパ・リーグはペナントレース同様まったく分からない状態で、西武増田達至オリックス平野佳寿楽天松井裕樹の3人が27セーブでトップ。2差の25セーブでロッテ益田直也が追う展開となっている。

 この4投手の月別の成績を見てみよう(カッコ内はチーム成績)。

増田達至 3、4月 0勝0敗5S 防0.90(13勝15敗1分)
     5月  1勝0敗8S 防0.00(13勝10敗)
     6月  0勝0敗8S 防0.00(12勝9敗)
     7月  0勝1敗1S 防5.40(12勝10敗1分)
     8月  1勝2敗5S 防4.91(13勝10敗1分)

 昨年の不調を払拭し6月までは1勝21セーブ、防御率0.32と完璧なピッチングをしていたが、7月2日のソフトバンク戦(ベルーナ)で中村晃に逆転タイムリーを浴び失敗。7月以降は1勝3敗6セーブ、防御率5.11と不安定な部分も出てきた。

平野佳寿 3、4月 2勝1敗9S 防1.29(15勝14敗)
     5月  0勝1敗5S 防1.29(9勝15敗)
     6月  0勝0敗5S 防1.42(12勝9敗)
     7月  0勝0敗6S 防0.00(15勝9敗)
     8月  0勝0敗2S 防3.60(10勝10敗1分)

 7月9日から21日まで6連続セーブと好調だったが、24日に特例2022対象選手で一軍登録を抹消された。8月9日に一軍登録され12日には26セーブ目を挙げたものの、その後大差ゲーム、中止、山本由伸の完投などもあり24日まで登板がなく8月はまだ2セーブ。余力を残しての終盤戦に挑める。

松井裕樹 3、4月 1勝1敗7S 防0.71(16勝6敗1分)
     5月  0勝0敗6S 防2.25(13勝13敗)
     6月  0勝1敗5S 防4.76(9勝12敗)
     7月  0勝0敗1S 防0.00(8勝12敗1分)
     8月  0勝0敗8S 防0.00(12勝12敗)

 チームが11連勝し好調だった5月11日まで1勝1敗10セーブ、防御率1.15。その後チームもなかなか勝ち切れず登板数も少なくなっていった。それでも8月は9試合に登板し8セーブ、7月7日以降13試合連続無失点と好調。チームが松井裕を登板させる形に持って行ければ終盤の巻き返しも期待できる。

益田直也 3、4月 0勝0敗3S 防1.80(11勝14敗1分)
     5月  0勝1敗7S 防3.60(11勝15敗)
     6月  0勝0敗7S 防3.00(13勝7敗)
     7月  0勝0敗6S 防4.50(11勝11敗)
     8月  1勝1敗2S 防4.50(9勝12敗)

 昨年のタイトルホルダーの益田だが、5月以降は防御率も3点台と失点する試合も多くなっている。8月11日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で3対3の同点の9回表に登板すると今宮健太に一発を浴び敗戦。翌日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でも2対1の9回表に登板したが、2安打、2四球と安定感を欠き失点。20日には一軍登録を抹消されている。

セはマクガフが一歩リード


セは首位・ヤクルトマクガフがリーグ1位の33セーブ


 一方セ・リーグは首位・ヤクルトのマクガフが33セーブと一歩リードしているが、2位にはDeNA山崎康晃中日のR.マルティネス巨人大勢の3人が30セーブと並んでいる。

マクガフ
     3、4月 0勝0敗7S 防0.00(15勝12敗)
     5月  0勝0敗7S 防1.64(16勝7敗1分)
     6月  0勝0敗9S 防1.80(19勝4敗)
     7月  0勝2敗3S 防8.44(7勝13敗)
     8月  0勝0敗7S 防0.00(11勝11敗)

 チームが19勝を挙げた6月は9セーブをマークしたが、苦しかった7月は2敗で防御率も8.44だった。8月26日からのDeNA3連戦(横浜)で2セーブをマークし一歩抜け出した。

山崎康晃
     3、4月 0勝1敗2S 防7.36(10勝15敗)
     5月  0勝0敗7S 防0.90(11勝11敗)
     6月  0勝1敗6S 防1.80(11勝12敗)
     7月  0勝0敗5S 防2.00(10勝7敗2分)
     8月  0勝0敗10S 防0.00(16勝6敗)

 3、4月は防御率も7.36だったが、5月に7セーブを挙げ復活。チームが16勝をマークし快進撃の8月には10セーブ、防御率0.00とチームを勢いに乗せた。

R.マルティネス
     3、4月 0勝1敗7S 防0.90(13勝13敗)
     5月  0勝0敗6S 防0.00(11勝14敗)
     6月  2勝0敗3S 防0.00(7勝15敗)
     7月  0勝0敗7S 防2.00(10勝8敗1分)
     8月  1勝2敗7S 防1.80(11勝12敗)

 チームは最下位ながらも安定したピッチングでセーブを挙げている。8月は2敗しながらも防御率は1.80。終盤は3位以内の可能性もあり、マルティネスの活躍は不可欠だ。

大勢
     3、4月 1勝0敗11S 防2.08(20勝11敗)
     5月  0勝1敗7S 防2.08(11勝14敗)
     6月  0勝0敗4S 防3.86(9勝13敗)
     7月  0勝0敗3S 防0.00(5勝12敗1分)
     8月  0勝0敗5S 防1.29(11勝13敗)

 ルーキーながら3、4月で2ケタの11セーブをマーク。チームも首位になるなど好調だったが、チームがその後下降線をたどり登板数も減。6月には防御率3.86と調子を落としたが、7月以降は安定したピッチングを見せている。

 パ・リーグは最多セーブ争いが優勝争いにも直結してくる。残り30試合前後、し烈なタイトル争いから目が離せない。

文=永山智浩 写真=BBM
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