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スカウトが「木製でも対応している」と絶賛する浅野翔吾が心待ちにする対戦

 

周囲は過熱も本人は冷静に自己分析


侍ジャパンU-18代表の高松商高・浅野翔吾[3年]は、大学生との練習試合で右中間二塁打。1回裏、一番・右翼のファーストスイングで結果を残した


 木製バットでの初の対外試合。衝撃に加えて、見慣れない光景が広がっていた。

 侍ジャパンU-18代表の高松商高・浅野翔吾(3年)が8月30日、大学生との練習試合で1回裏、初球のストレートを右中間二塁打。トップバッターの一打を口火に打線がつながり、この回、一挙5得点と試合の主導権を握った(結果は5対1でU-18代表が勝利)。

「初球の真っすぐを狙っており、甘く入ってきたので、しっかり打つことができました。高松商でも一番で、出塁率を求めてやってきた。日本代表には良い打者がたくさんいるので、チャンスをつくりたいです」

 今夏の甲子園では3本塁打(高校通算67本塁打)を放った。今回は木製バットだが、金属と変わらない鋭い振り、痛烈な打球を見せた。

「(高松商グラウンドでの)全面練習は平日2日だけで、それ以外は4カ所の打ち込みを木製でこなし、フリー打撃でも木製で打ってきましたので違和感、難しさは感じないです。金属バットは軽く振っても反発で飛ぶ。木製バットはしっかり振らないと飛ばないので、強いスイングとミートを心がけています」

 視察したあるNPBスカウトは「金属と変わったところはない。しっかり、木製で対応している」と、あらためて右のスラッガーに惚れ込んだ様子。また、ある球団幹部は「夏前の段階で1位に入る選手だとは思っていましたが、この夏の甲子園を経て、1位競合になると確信しました」と争奪戦を示唆している。

 周囲は過熱する一方だが、浅野本人は冷静に自己分析する。チームメートの動きを細かく観察し、学び、自らに吸収しようとしている。

「松尾(汐恩、大阪桐蔭高3年)は三番打者なんですけど、ボール球を振らずに四球を選んでいた(この日の練習試合は2四球)。そういった姿勢が、一番打者には必要。今日はボール球を三振したので、なくしていきたい」

大学生のレベルの高さを実感


 昨夏の甲子園2試合、今夏の甲子園3試合を通じ24打席で三振ゼロだった浅野が、この日の練習試合だけで2つの空振り三振を喫した。超レアなシーンだったのである。大学生のレベルの高さを体感したが、心待ちにする対戦が控えている。

 U-18代表は8月31日、壮行試合(ZOZOOマリン、18時試合開始)で大学日本代表と対戦する。そこで、浅野は言った。

「矢澤(宏太)投手(日体大)とやってみたいです。大学生で世代ナンバーワンの二刀流。ああいう投手を打てないと、その先、上ではやっていけないと思う。対戦して対応できるか、対応できないのか、試してみたいと思います。ケースに応じた打撃をしていきたい」

 今夏の甲子園準々決勝。浅野は近江高・山田陽翔(3年)との対戦で、バックスクリーンへの本塁打を含む4打数3安打2打点と、強烈なインパクトを残した。日体大の152キロ左腕・矢澤は「真っすぐを待っている中で、真っすぐを投げファウル、詰まらせ、フライを打たせる。張っていても打てないボールを投げていきたい」と真っ向から攻めるのが最大の武器。力と力の勝負から目が離せない。

写真=日本雑誌協会代表取材
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