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日本人メジャーの軌跡

先発二番手でメジャーデビューの有原航平。4月は2勝を挙げて順調なスタートも…/日本人メジャーの軌跡

 

日本ハムでの6年間で通算60勝50敗、防御率3.74。2019年に15勝で最多勝に輝いた有原航平は、2020年シーズン終了後にポスティングシステムでレンジャーズに移籍した。2年総額620万ドル。先発投手として大きな期待を受けた。背番号は「35」。有原の前にはランス・リン、その前はコール・ハメルズと、エースが背にしてきた番号。ちなみに元阪神ランディ・バースも1982年に着けていた。

大きな期待を受けた背番号35


レンジャーズ時代の有原


 スプリングトレーニングではメジャーの野球に適応しようと努め、4試合で0勝1敗、防御率3.86。先発二番手としてシーズンに入った。デビュー戦は4月3日のロイヤルズ戦。5回を投げて3失点で勝敗なしだった。6日後のパドレス戦では4回3失点で敗戦投手になった。

 そして3試合目となった4月14日のレイズ戦で見事に初勝利を手にした。1回は三者凡退と順調に滑り出す。2回は無死二、三塁のピンチを迎えたものの、ここでマニュエル・マーゴットを左飛、筒香嘉智とマイク・ズニーノを連続三振に仕留め、何とか無失点で切り抜けた。

 3回も安打と暴投で二死二塁とされるが、ここも無失点。4回からはひとりの走者も許さず、6回二死の1対0とリードした場面で交代した。投球数は85だった。レンジャーズは結局5対1で勝利。「本当に勝ててうれしい。ようやくスタートできたという気持ち。コーチ、捕手と話し合って、気持ちよく投球させてもらった」と喜んだ。

 中4日で19日のエンゼルス戦に臨み2勝目を挙げる。1回、先頭のデービッド・フレッチャーに中前打を許すが、日本ハム時代の同僚だった大谷翔平を一ゴロ併殺に切って取る。2回は一死から四球で走者を出すも、アルバート・プホルスを二ゴロ併殺。3〜5回は3人ずつで片付けた。6回二死を取った後に四球と安打で一、二塁とし、大谷を迎えたところで、6対0とリードして降板した。レンジャーズは6対4で逃げ切った。大谷とは1回の一ゴロ併殺のほかはフェンス際への大きな中飛で2打数無安打に封じた。

 フォーシームの球速はさほどではないものの、ツーシーム、カーブ、カットボール、スライダー、スプリット、チェンジアップと持ち球は多彩。丁寧な投球で上々のスタートを切った。ところが4月25日のホワイトソックス戦で2回5失点と炎上して2敗目を喫すると、一転して苦しい時期へと直面することになる。

『週刊ベースボール』2022年8月29日号(8月17日発売)より

文=樋口浩一 写真=Getty Images
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