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プロ野球はみだし録

山梨と長野は巨人の“ダブル堀内”が健在、新潟は今井雄太郎と金子千尋が新旧エース?【プロ野球はみだし録】

 

甲信越の“県勢エース”は誰?


長野商高時代の金子


 2021年のドラフトでソフトバンクから1位で指名され、投手ながら背番号1を与えられて話題となった風間球打の出身地である山梨県。ただ、まだ風間はプロでの登板はなく、“県勢エース”となるかは未知数だ。一方、かつて“甲斐の小天狗”と呼ばれたのが甲府商高の堀内恒夫。プロ野球で最初のドラフトとなった1965年の秋に巨人から1位で指名され、V9を象徴するエースとなった右腕だ。異名のインパクトもあり、“県勢エース”の地位は健在といえるだろう。

 左腕エースは神奈川の法政二高を出て南海(現在のソフトバンク)在籍中に日本人メジャー・リーガーの第1号となった村上雅則だろうか。ほかにも甲府工高と阪神に縁がある中込伸山村宏樹、峡南高の深沢恵雄や日川高の石川賢、都留高の小林雅英ら新旧ロッテ勢もいる。また、神奈川県の出身で日大明誠高を出た木田優夫(巨人ほか)ら関東からの野球留学が多いのも特徴だ。

 甲信越では唯一、甲子園を制している長野県は打者が優勢。91年に松商学園高をセンバツ準優勝に導いたエースの上田佳範日本ハムで野手に転じた。プロで活躍した投手では堀内恒夫の前に巨人のエース格となった松商学園高の堀内庄がいる。時は流れ、ライバルの阪神には松本工高の御子柴進が入団した。

 対照的に打者より投手が優勢といえるのが新潟県。阪急(現在のオリックス)で昭和では最後、指名打者制のパ・リーグでは最初の完全試合を達成した今井雄太郎は中越高から新潟鉄道局を経てのプロ入りと“新潟ひと筋”だ。新潟に生まれて長野商高で甲子園に出場したのがオリックスで今井の後輩となり、現在は日本ハムでプレーしている金子千尋。ともに最優秀防御率1度、最多勝2度と新旧エースといえる存在か。

 今井はダイエー(現在のソフトバンク)で引退したが、金子とは逆に東京の生まれで、新潟商高からダイエーへ入団、初のリーグ優勝、日本一に貢献したのが星野順治。セ・リーグ勢では糸魚川商工高(現在は糸魚川白嶺高)の関本四十四(巨人ほか)、新潟明訓高の小林幹英(広島)、東京の堀越高から阪神へ入団した猪俣隆がいる。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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