第30回WBSC U-18W杯(アメリカ・フロリダ)に出場する高校日本代表の壮行試合が8月31日、ZOZOマリンで行われた。試合は大学日本代表が4対1で勝利している。

　試合後、大学日本代表の記者会見。「高校日本代表で印象に残る選手」として挙げたのは、大久保哲也監督(九産大監督)、先発した右腕・荘司康誠(立大4年・新潟明訓高)、四番・蛭間拓哉(早大4年・浦和学院高)とも「浅野翔吾(高松商高)」だった。

　一番・右翼で先発出場した浅野は4打数無安打。しかし、結果だけでは評価できない潜在能力の高さが強烈なインパクトとしてあった。

　大久保監督は試合前の打撃練習の段階から「打球が違う。威圧感がある」と警戒し、プレーボール後、右翼を守っていた蛭間は「打席でのオーラがある」と絶賛していた。

　1回表。先頭打者として対戦した荘司は全球ストレート勝負に徹した。2ボール1ストライクからの4球目、148キロを詰まらせ、捕飛に抑えた。荘司はこの打席を振り返る。

「懐の深いフォームで、威圧感がありました。(抑えたのは)紙一重で、一歩、間違っていれば……。大学生の意地ですか？　見せられたとは思いますね……(苦笑)」

　荘司が指摘したのは、プレー以外の部分もあった。

「技術が高いことは分かっていましたが、立ち居振る舞い、挨拶、礼儀など、人としてしっかりしている。落ち着いていて、堂々としていました」

　心身とも充実している浅野。大学生に認められたポテンシャルは「ドラフト1位候補」にふさわしい人材であることが証明された。

文＝岡本朋祐　写真＝田中慎一郎