週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

大勢「セーブ王」、村上宗隆「三冠王」、DeNA「日程との戦い」…セ・リーグ6球団「最終盤の見どころ」は?

 

残り30試合を切り、シーズンは大詰めを迎えている。優勝争い、クライマックスシリーズ(CS)争い、タイトル争いなどが激化。見逃せない日々が続いているが、セ・リーグ6球団の「最終盤の見どころ」をピックアップした。
※記録は9月2日現在

読売ジャイアンツ



 Aクラス入り、CS進出は何とか死守したいところだが、思うように波に乗り切れない。8月も6連敗を含む11勝14敗1分けで、ここまで借金は今季最多の8にまでふくらんでいる。浮上のカギとなるのはやはり投手陣。中でも個人タイトルも視野に入る2人だ。新たなエースの風格が出てきた戸郷翔征阪神青柳晃洋の停滞もあって最多勝が狙える位置につける。9月の変則日程を生かして登板数を増やし、チームのためにも自らのためにもフル回転することが求められる。8回までリードを保つことができれば大勢の出番だ。チームの失速でセーブシチュエーションでの登板が減っているが、最多セーブに迫ることができれば必然的に新人王の称号がついてくるはずだ。

東京ヤクルトスワローズ



 5月21日から首位を守り続け、1992、93年以来のリーグ連覇の可能性が日に日に高まっているヤクルト。シーズン最終盤に入り、今まで以上に勝敗の行方が気になるが、勝敗と同じく目が離せないのがタイトル争いだ。最大の注目は何と言っても村上宗隆で、ここまで暫定三冠王。本塁打と打点の2部門はタイトル獲得をほぼ確実にしており、令和初の三冠王達成に期待が高まる。また、本塁打数は50本で、2013年にウラディミール・バレンティン(当時ヤクルト)が打ち立てたシーズン記録60本の更新のチャンスも十分にある。また、村上以外にも、34セーブでリーグトップを走るスコット・マクガフ、リーグ2位の23盗塁をマークしている塩見泰隆の存在も。優勝争いにタイトル争い、最後の最後まで目が離せない試合が続く。

横浜DeNAベイスターズ



 DeNAのシーズン最終盤は日程との戦いが最大の焦点となる。三浦大輔監督による先発ローテーションの運用をはじめ、リリーフ陣の連投もカギとなる。そのリリーフ陣は田中健二朗ブルックス・クリスキーなどが実戦復帰し存在感を示しているが、まだまだファームから上がってくる投手はいるはずだ。今季支配下登録に復帰した平良拳太郎などはその筆頭だろう。ファームでの復帰戦は圧倒的な実力を示し準備は整いつつある。最終盤は9連戦、10連戦、6連戦があり選手の疲れはピークに達する。首位・ヤクルトとは7ゲーム差の2位だが、連戦中には直接対決が6戦も残っており、ここで急浮上してくる投手がいるか、そして三浦監督がどのように乗り切るのかその手腕に期待したい。

阪神タイガース



 この男の調子が上がってきたことで得点力も期待がかかる。近本光司の新型コロナウイルス感染による離脱などで、出場機会が増えたロハス・ジュニアだ。グラウンドに立つことで試合慣れし、貴重な場面で得点を挙げるなど存在感が増してきた。8月は打率.328、4本塁打、13打点をマーク。ここに三番を打つ近本が帰ってきて存在感を見せつけており、ロハス・ジュニアが六番で好調を維持していけば得点力も確実にアップしていく。シーズン最終盤に向けて、六番まで気の抜けない打線へとグレードアップ。投手陣はほぼ盤石なため、ロハス・ジュニアが打棒を発揮し続けるようだと、連勝街道も見えてくる。

広島東洋カープ



 CS進出が、どんどんと遠くなる。1.5ゲーム差で迎えた3位・阪神との3連戦(8月30日〜9月1日、甲子園)に3連敗。雨の中での試合もあり、コンディション的に難しかったのは確かだか、新型コロナ離脱者に秋山翔吾も復帰して「ここから再浮上!」という中で出鼻をくじかれた感は否めない。9月1日の試合では不調のライアン・マクブルームを六番に落とし、西川龍馬を四番に据えたが、不発に。この試合の敗戦で自力CSは消滅。翌日のDeNA戦(マツダ広島)に勝ち、自力CSは復活したが崖っぷちの状況は変わらず、自分たちが勝ち続けないことには扉は開かれない。勝負どころの経験豊富な菊池涼介、秋山の調子が上がってくれば、チームも勢いづくはずだ。目の前の1勝を必死につかみ取る。

中日ドラゴンズ



 残り試合を考えてもCS出場は厳しい。9月1日のDeNA戦(横浜)に敗れて自力での出場の可能性が消滅。今後の展開によっては分からないが、それでも他力本願は否めない。となれば見どころは、大島洋平の首位打者タイトルだ。この部門が大きな注目を浴びているのは、ヤクルトの村上宗隆の三冠王がかかっているからなのは言うまでもない。村上の本塁打王、打点王はほぼ当確。打率もここまでリーグトップの.337で、大島はそれに次ぐ.322だ。1分以上の開きがあるが、打率は変動するから、この差がどうなるか。しかも大島は2度の登録抹消があって打席数が少なく、固め打ちを続ければ一気に打率アップとなる。最多安打のタイトルは2019、20年と2度あるが、首位打者のタイトルはなく、何としても手にしたい。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング