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首都大学リポート

自ら捕手への転向を直訴。武蔵大の“攻守の要”斉藤北斗が狙う悲願のリーグ初制覇/首都大学リポート

 

桜美林大戦で勝ち点1に貢献


武蔵大・斉藤北斗は攻守の要


【9月4日】一部リーグ戦
武蔵大7−1桜美林大
(武蔵大2勝)

 斉藤北斗(4年・日大鶴ケ丘高)は昨年11月に捕手へコンバートされたばかりにもかかわらず、春季リーグではベストナインを獲得した。昨年までは外野手をやっており、捕手の経験は高校時代の数カ月ほどだったというが、自らポジションの変更を直訴した。

「昨春は入れ替え戦に回ったのですが、そのころの投手陣は制球に苦しんでいました。でも、ブルペンではコントロールが良かったので、試合になったらストライクが入らないのは精神面の問題じゃないかと思い、コミュニケーションを取る機会を増やしたんです。そして、昨秋のリーグ戦を終えて新チームになったとき、『自分がキャッチャーをやったら、この投手陣を勝たせられるんじゃないか』と思ったんです」

 春の開幕時は「100パーセントの自信があったわけではなかったので不安でした」と言うが、まずはストップの練習をルーティンにして積み重ね、春のパスボールはゼロ。また、ピッチャーの特長や性格を生かしたリードには定評があり、今春の武蔵大戦後に東海大の井尻陽久監督をして「キャッチャー(の斉藤)にやられた」と言わしめたほどだ。

 バッティングについては「全然です」と謙遜するが、今春はリーグ中盤から二番に入ってつなぎ役をしっかりとこなし、勝負強い打撃で7打点を挙げている。

 そして、秋季リーグの開幕を迎え、第1週は桜美林大と対戦。2回戦は初先発となる1年生・小林匠(星槎国際湘南高)とバッテリーを組んだが「小林はマウンド度胸があって、気持ちが強い投手。今日は真っすぐが良かったので前半はストレートで押し、中盤からは得意なスライダーとのコンビネーションを意識しました」と好リード。小林匠は「緊張していたのですが、斉藤さんの掛け声ひとつで気楽になれました」と大きな信頼を寄せており、チームを率いる山口亮監督も「よくやってくれて助かっている。今日も的を絞らせない配球だった」と評価するなど、7回を投げて1失点の好投を引き出した。

 盗塁を2つ刺し、バッティングでも「タイミングを取ることだけ意識しているのですが、チームメートから『ダメでもともと』と声を掛けられているので楽な気持ちで打席に立てています」と5回裏に二死満塁から三遊間を破る2点タイムリー。結局、武蔵大は7対1で桜美林大を降して連勝。幸先良く勝ち点1を挙げることができた。

「春は後ろへボールをやらないように毎試合、緊張していたのですが、この秋は下級生をリードすることが多くなるので、自分があたふたしないように余裕を持っていきたい」

 次週は因縁の東海大戦。今春は最終週の直接対決で首位を明け渡し、優勝を逃しているが「リーグ戦が終わってから東海大を倒すためにずっと練習してきたので、まずは初戦を取りたい」と宿敵の打倒を誓っている。悲願のリーグ初制覇に向け、武蔵大の扇の要はまさにチームの要となって攻守の両面で貢献する。

取材・文=大平明 写真=BBM
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