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侍ジャパンU-18代表

侍U-18代表の主将にふさわしい山田陽翔。急造チームのムードを引き上げ日々戦う集団へ成長

 

周囲を見渡しチームをけん引


侍ジャパンU-18代表の主将・山田[近江高3年]は試合中、ベンチワークでもチームに貢献している[右は高松商高・浅野]


 U-18W杯(9月9〜18日、アメリカ・フロリダ)に出場する侍ジャパンU-18代表の「顔」は山田陽翔(3年)である。

 馬淵史郎監督(明徳義塾高)は2年夏(4強)、3年春(準優勝)、3年夏(4強)と甲子園における経験値ナンバーワンの山田を主将に指名。背番号1をチームリーダーとしたのは、大正解だった。

 急造チームを、短期間で結束させないといけない。言うまでもなく、選手個々でコミュニケーションを積極的に取っていくことが必要だ。飛び切りの明るさがある山田。ムードを引き上げ日々、戦う集団へと成長している。

 8月31日。大学日本代表との壮行試合(ZOZOマリン)は、攻守で見せ場を作れず、1対4で敗退した。試合後の会見。山田は努めて前向きに語りながらも、珍しく深刻な表情を浮かべた。「危機感」を口にしたのである。

「もっとチームが良い雰囲気でやれるように、自分自身がしっかり変わらないといけないというのは、先ほどのショートミーティングで気づいた。もっと、キャプテンらしいことができればいい。ベンチの雰囲気を自分が責任持って、良い雰囲気で選手がのびのびできる環境を自分がつくっていきたい」

 9月3日。早大との練習試合では、これまで以上に周囲を見渡し、チームをけん引する姿勢が見られた。いつも笑顔を見せる明るさの中にも、勝負への執着は相当である。

「自分はキャプテンをやっていなかったら、流される部分があるので……(苦笑)。役職をいただいたほうが、良かったと思います」

 そんなことはない。このチームのキャプテンは、山田しかいない。山田はどんな立場でも、チームのために考え、動ける選手である。「世界一を目指す」。これほど、背番号1が似合う選手もいない。9月5日に戦いの地・アメリカへ向かう。結果はどうあれ、人としてさらに大きくなって帰国するはずだ。

文・写真=日本雑誌協会代表取材
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