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【クローザー採点】セ・リーグ6球団「守護神」の評価は?

 

チームに勝利を呼ぶ存在であるクローザー。言うまでもなく、非常に重要なポジションではあるが各球団、今季その働きぶりはどうだったか。セ・リーグ6球団の「クローザー事情」を100点満点で評価した。
※記録は9月5日現在

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 95点

 昨季途中からクローザーを任されているのがスコット・マクガフだ。今季の目標に「チームとしてはもちろん優勝。そのためにもクローザーを1年間守り切ること」と掲げていた右腕は、開幕から18登板連続無失点とチームの快進撃に貢献。7月こそ2敗を喫したが、8月は10試合の登板で1失点に抑えて8セーブを挙げており、ここまで46試合、防御率1.81、リーグトップの34セーブを記録している。好調の裏には制球力の向上があり、昨季3.22だった与四死球率は1.61に良化。ムダな走者を出さないことが高い安定感につながっている。残り1カ月を切ったシーズン。この成績を維持できれば、目標達成はもちろん、初のセーブ王獲得も見えてくる。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 100点

 文句なしの満点と言って良いだろう。“ハマの小さな大魔神”山崎康晃は昨年までの不調がウソのように守護神に返り咲いた。今季はここまで、47試合に登板しリーグ2位の31セーブを挙げ、防御率1.57。セーブシチュエーションは33試合で失敗は2度のみ。8月24日には、200セーブに到達し球団OBである“ハマの大魔神”佐々木主浩の持っていた最年少記録を塗り替えた。昨オフは例年にも増して自分の体と向き合い、今季は力強い直球が戻ってきた。そのおかげで伝家の宝刀ツーシームが生きている。今季は、打者に粘られることはあるものの崩れることはない。その精神的タフさは経験が生んだ賜物だ。DeNAの試合を締めるマウンドにはやはりこの男が良く似合う。

阪神タイガース



阪神 70点

 徐々に信頼を得て、岩崎優の代わりとしてクローザーの座に戻ってきた。2年連続でセーブ王を獲得したロベルト・スアレスが今季はパドレスに移籍。新クローザーとして期待されて新たに来日したのがカイル・ケラーだった。だが、調整不足もあり開幕戦で打たれるなど結果を残せず二軍調整に。その間、岩崎がクローザーへ回った。だが、一軍に戻ってきたケラーは、無失点投球を続け、疲労の見てきた岩崎に代わり9回を任されるように。8月30、31日の広島戦(甲子園)ではいずれも1点差で9回のマウンドに上がり連続セーブを記録。9月2日の巨人戦(甲子園)では2点のリードを守れず同点に追いつかれたが、制球力、ボールの威力とも抜群で残り試合でも頼りになるクローザーになるのは間違いない。

広島東洋カープ


広島・栗林良吏


広島 80点

 ルーキーイヤーの昨季はセーブシチュエーションで失敗ゼロ。しかし今季はシーズン序盤に失敗を味わい、不安定さも露呈した栗林良吏だったが……さまざまな経験を経て大きく成長している。「置かれている立場としての自覚と責任を持ってマウンドに上がるようにしています」。昨季は1日1日必死に腕を振っていただけだったと振り返る右腕も、2年目を迎えてクローザーとしての役割、その重さをかみ締めている。昨年とはまた違った状況下ながら、何があっても首脳陣、チームは栗林に9回を任せ続けた。その思いを右腕も強く感じていたはずだ。フォーム、足の上げ方などを変化させながら、打者に対して向かっていく気持ちは忘れずに。ここまで6月30日のヤクルト戦(マツダ広島)から16試合連続無失点中。8月は8試合に登板して6セーブを挙げ、2年連続30セーブも目前に迫っている。“栗林に回せば”という流れが、しっかりとできている。

読売ジャイアンツ


巨人・大勢


巨人 90点

 ドライチ右腕の大勢が周囲の想像を上回る働きぶりを見せている。開幕直前に新人としては異例のクローザーに抜てきされると、開幕戦セーブ皮切りに初登板から7試合連続セーブをマーク。6月上旬にはチーム60試合の時点で12球団最速の20セーブに到達した。そこからチームが下降線を描いたこともあり、セーブシチュエーションでの出番が減少してセーブのペースが鈍化、新型コロナ感染のアクシデントもあったが、それでも31セーブ、防御率1.74を記録しており貢献度は特大だ。大勢がいなければ、チームはさらに低迷していたかもしれない。

中日ドラゴンズ



中日 90点

 最下位にあえぐチームにあって、大きな存在感を見せているのが守護神のライデル・マルティネスだ。すでに3年連続の20セーブ超えで自身初の30セーブに到達している。4月1日の広島戦(バンテリン)から7月14日のヤクルト戦(バンテリン)まで28試合連続無失点を記録し、その間、19セーブを手にした。193センチという長身から繰り出す真っすぐとスプリットが大きな武器。「最後のアウトを取るのが僕の仕事」と言い切る仕事人だ。リードして9回のマウンドに送り出せば、ほぼチームに勝利を運んでくれる助っ人右腕だが、なかなかその展開に持ち込めず、出番が少ないのが歯がゆいところだ。

写真=BBM
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