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巨人・大城卓三 打撃はリーグトップクラスも…下位低迷で「正捕手の正念場」の指摘が

 

打撃成績は決して悪くないが……


強打の捕手として期待は大きい大城


 クライマックスシリーズ進出を狙う巨人。その中で攻守のキーマンになるのが大城卓三だ。

 捕手はチームを勝利に導いてこそ、評価が上がる。伊東勤古田敦也谷繁元信阿部慎之助……名捕手と呼ばれた選手たちはチームの黄金時代に司令塔として光り輝いた。

 大城に対する風当たりが強くなっているのも、チームが下位に低迷していることが大きな要因だろう。昨年は自己最多の125試合に出場して打率.231、11本塁打、37打点。リーグトップの盗塁阻止率.447をマークしたが、チームが9月以降に10勝25敗8分の大失速で優勝争いから脱落した。大城も先発マスクから外れるなど悔しい思いをした。

 今季も試練が続いている。打撃の状態が上がらず6月2日に登録抹消された。故障以外でファーム降格はプロ5年目で初。その後も新型コロナウイルス感染で戦線離脱した時期はあったが、打撃の状態は上向いている。99試合出場で打率.252、11本塁打、35打点。セ・リーグの他の捕手と成績を見比べると、決して悪い数字ではない。今月3日の阪神戦(甲子園)では藤浪晋太郎から同点の5回に左前適時打。この一打が決勝打となり、連敗を3で止めると共に自力CSの可能性が復活した。ただ、チームは春先に首位を快走していたが、5月以降は下降線に。優勝争いから脱落し、借金7と厳しい戦いが続いている。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は、大城についてこう分析する。

「打撃は間違いなくリーグトップクラスです。もちろん能力を考えればもっと活躍してもらわなければいけない選手ですが、物足りなく感じるのは阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスコーチ)の現役時代と比べてしまうからだと思います。あとはリード面ですね。配球について疑問を呈されることが少なくない。どの組み立て方が正解とは言えない世界なので難しいのですが、一部の巨人ファンから小林誠司を起用したほうがいいという声が上がっている。大城はチームを勝たせられる正捕手になれるか、正念場を迎えている」

 巨人は世代交代の時期を迎えている。戸郷翔征菅野智之からエースの座を継承する最有力候補として、11勝をマーク。先発で山崎伊織堀田賢慎直江大輔、ドラフト3位右腕の赤星優志と新たな力が次々に台頭。若手を引っ張る捕手には負担が掛かるが、投手を一本立ちさせるのも大きな役目だ。今季535失点はリーグワーストだが、失敗をバッテリーで糧にしなければいけない。

活躍しなければいけない選手


 今季の先発マスクを確認すると、大城がチーム最多で89試合。2位以下は小林誠司が27試合、岸田行倫が5試合、山瀬慎之助が4試合、喜多隆介が1試合となっている。扇の要として活躍してもらわなければいけない選手なのだ。

 首位のヤクルトには大きく突き放され、2位のDeNA戦も球団ワーストタイ記録の7連敗。6日の対戦では延長10回一死満塁の好機を生かせず、守護神・大勢が直後の延長11回に佐野恵太に勝ち越しアーチを浴びて敗れた。残り17試合と少なくなり、CS進出争いに向けて厳しい戦いが続く。大城も自らの存在価値を証明するため、攻守で奮起が求められる。

写真=BBM
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