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オリックスがリーグ連覇へ猛追 「ソフトバンク、西武に比べて地力は一番ある」の指摘が

 

首位にゲーム差なしの3位


9月8日の西武戦は中川[写真]の2アーチ、完封リレーで5対0の勝利


 昨年のリーグ覇者・オリックスが混パの主役に躍り出ようとしている。

 今季は杉本裕太郎が春先から打撃不振、遊撃の紅林弘太郎も精彩を欠いて5月にファーム降格を経験するなど誤算が相次いだ。7月中旬まで借金生活が続いたが、その後は白星を重ねて貯金7に。9月8日の西武戦(ベルーナ)は先発の椋木蓮が2回途中に右ヒジの違和感で交代するアクシデントで降板も、7投手をつぎ込む小刻みな継投策で完封勝利。首位と最大11.5ゲーム差から巻き返し、3位だが首位・ソフトバンクに0ゲーム差と頂上が見えている。

 8月下旬にT-岡田が右太もも裏を負傷、杉本も左太もも裏の筋損傷と主軸が故障で相次いで戦線離脱したが、代役で出た選手たちがその穴を埋めて余りある活躍を見せている。特に頓宮裕真が絶好調だ。8月31日の楽天戦(楽天生命パーク)で2本塁打5打点と大活躍すると、9月1日の同戦でも猛打賞3打点と止まらない。2日のロッテ戦(ZOZOマリン)から四番に座ると、4日の同戦で9号左越え2ラン。昨年は6月に左手有鉤骨鉤骨折で手術を受けた影響で61試合出場と不完全燃焼に終わった中川圭太と共に打線の軸になっている。

 投手陣は山岡泰輔の復活が大きい。19年に13勝をマークするなど先発ローテーションの中心として活躍してきたが、度重なる故障の影響で20年は4勝、リーグ優勝を飾った昨年も右ヒジのクリーニング手術を受けるなど3勝に終わり不完全燃焼だった。今季は開幕から先発で稼働し、6勝7敗、防御率2.28。規定投球回数に達していないが、118回1/3を投げている。

 スポーツ紙デスクは「昨年からの主力だけでなく、今年は投打で中堅選手の活躍が目立つ。若月健矢も打撃が課題でしたが、今季は打率3割を超えるハイアベレージをキープしている。ソフトバンク、西武と比べてオリックスが地力は一番あるように感じます。懸案の救援陣が崩れなければ、一気に抜け出す可能性もあると思います」と指摘する。

「昨年の優勝はダテではない」


 オリックスの元監督で球団評論家の岡田彰布氏は8月下旬に週刊ベースボールのコラムで、パ・リーグの優勝争いについてこう占っている。

「ここで西武、ソフトバンクの2チームを一気にかわせる可能性があるのは? それはそらそうよ的にはオリックスやろな。今シーズン、序盤で出遅れ、なかなかチームを立て直すことに時間が掛かったけど、そこは地力のあるチームよ。昨年の優勝はダテではない。あの経験で得たチームとしての自信は、苦境の時に発揮される。なんだかんだといって、ここにきて貯金を増やし、優勝争いに首を突っ込んでいるわけよ。今年もまくれる! そういう不気味さがこのチームにはある。もちろん優勝するにはそれなりの根拠が必要なわけで、オリックスの場合は絶対的な投手力がある。これが決め手になる。エース・山本(由伸)はここからさらにギアを上げるだろうし、あとに続く先発陣の田嶋(大樹)、山岡(泰輔)、宮城(宮城大弥)と、ここはほかと違う決め手を持っている。オリックスが2年連続優勝するには、この投手力よ。少ない得点でも守り切れる強さがある。オリックスが最後の最後に大まくり!ない話ではない」

 昨年に25年ぶりのリーグ優勝を飾った経験も大きな強みになる。残り15試合。リーグ連覇に向け、ラストスパートをかける。

写真=BBM
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