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来季は村上宗隆のライバル? 巨人・ウォーカーに「タイトルに絡む強打者になる」の声が

 

20号は特大アーチ


9月7日のDeNA戦で濱口から20号満塁弾を放った


 日本球界で今年活躍した新外国人の代表格が、巨人アダム・ウォーカーだ。

 9月7日のDeNA戦(東京ドーム)で4回一死満塁から濱口遥大のスライダーを豪快に振り抜くと、打球は左翼スタンドの上部に設置した看板のさらに上を越える特大アーチ。左翼手の佐野恵太が一歩も動けない一撃で20号に到達した。6回にも中前適時打を放つなど4安打5打点。左翼の守備でも好守を連発した。7回に宮崎敏郎の大飛球をジャンピングキャッチすると、8回二死二塁で倉本寿彦が放った低い弾道の打球に猛チャージを掛けてダイビングキャッチ。二塁走者・楠本泰史が飛び出していたため、立ち上がってすぐに二塁に送球して併殺を完成させた。

 この日は仲良しのグレゴリー・ポランコも2打席連続アーチを放ち、来日1年目の助っ人外国人で球団史上初となる20号コンビが誕生。試合後にお立ち台に上がったウォーカーは「僕にとってもポランコにとっても本当に自信になることだし、光栄に思います。ポランコはベンチでもロッカーでもいつも隣。これからも2人で頑張って残りシーズンも最善を尽くしたい」と宣言すると、ポランコも「ウォーカーは毎日のように練習しているし、一緒にいて勉強になっている。バッティングの先生です」と称えた。

 11日の広島戦(マツダ広島)では来日初の1試合2本塁打。2回に相手先発・遠藤淳志のカーブを左中間に運ぶ21号ソロを放つと、8回も左腕・森翔平のカットボールを左中間スタンドの上段に22号ソロ。6回は左越え二塁打で出塁すると、ヘッドスライディングで三盗に成功と、ユニフォームを泥だらけにしてチームの勝利に貢献した。

「ウォーカーはまだまだ伸びしろを感じる。打撃はさらにもう1ランク、2ランク上を目指せるし、打率3割、30本塁打は打てる。来年以降はタイトル争いに絡む可能性も十分に秘めていると思います。左翼の守備も亀井善行外野守備走塁コーチの指導で上達している。練習熱心で日本で成功したいという思いが強く伝わってくる選手ですね」(スポーツ紙記者)

開幕スタメンは逃すも


 同じ助っ人外国人でも、開幕前は立ち位置が違った。メジャー通算96本塁打で推定年俸2億5000万円のポランコに対し、メジャー経験がないウォーカーは推定年俸3400万円と格安だった。ポランコが3月25日の開幕戦・中日戦(東京ドーム)で「三番・右翼」でスタメン出場したのに対し、ウォーカーは出場機会なし。来日初スタメンは4月3日の阪神戦(東京ドーム)だった。決してチャンスが多いわけではなかったが、結果を出し続けることで首脳陣の信頼を勝ち取り左翼のレギュラーをつかんだ。6月終了時点で打率.309、16本塁打、36打点。球宴出場も果たした。

CS進出へ向けて打のキーマン


 相手バッテリーも研究してくる。夏場以降はボール球を振らされるようになり、調子が下降線に。7月は月間打率.136、3本塁打、8月も月間打率.167、0本塁打とふるわず8月19日に登録抹消された。だが、ファームに降格しても炎天下の中でひたむきに練習に打ち込む姿は変わらない。8月30日に再昇格すると、9月6日のDeNA戦(東京ドーム)で猛打賞、7日の同戦も4安打の固め打ちで復調をアピール。クライマックスシリーズ進出に向け、打のキーマンであることは間違いないだろう。

 ドレッドヘアがトレードマークとなり、攻守に見せるハッスルプレーで巨人ファンの人気も高い。過去にも横浜(現DeNA)、中日で本塁打王3度、打点王1度獲得したタイロン・ウッズロッテ、大洋、ヤクルトの主軸で通算打率.308、268本塁打をマークしたレオン・リーは共にメジャー経験がなかったが、日本で大ブレークした。ウォーカーもジャパニーズドリームをつかめるか。

写真=BBM
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