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プロ野球はみだし録

福島、山形、秋田の“県勢エース”は誰? 秋田には落合博満と“同郷対決”の山田久志も【プロ野球はみだし録】

 

福島に生まれた江川は栃木の出身……


同学年のライバルとして江川と切磋琢磨した遠藤


 今回、選手の出身地はプロ野球に在籍していた当時、プロフィルに載せていた出身地に準じている。このため、福島県に生まれて1980年代に巨人のエースとなった江川卓は栃木県の出身となる。ただ、そんな江川を同郷、そして同学年のライバルとして同じ時代のセ・リーグで大洋(現在のDeNA)のエースとして投げ合ったのが学法石川高の遠藤一彦。大洋の先輩には田村高に巨人キラー、特に王貞治を得意とした左腕の鈴木隆もいた。左腕では60年に33勝、防御率1.98で最多勝と最優秀防御率に輝いて大毎(現在のロッテ)のリーグ優勝に貢献した磐城高の小野正一が筆頭格だ。80年代から90年代に先発、救援で機能した福島商高の古溝克之(阪急ほか)も左腕だった。その阪急がオリックスとなり、21世紀に新人王となった右腕が勿来工高の小松聖だ。

 決して層が厚いといえないのが隣接する山形県。南海(現在のソフトバンク)ひと筋18年、68年の31勝を含む通算221勝を残したサブマリンで米沢西高の皆川睦男(睦雄)が圧倒的な存在感を放つ。山形南高の加藤武治(日本ハムほか)や上山明新館高の梅津智弘(広島ほか)、羽黒高の佐藤賢(ヤクルト)に日本ハム現役で山形中央高の石川直也らが21世紀に入ってリリーバーとして活躍した。

 金足農高の吉田輝星(日本ハム)ら“金農旋風”の印象も新しい秋田県もサブマリンが筆頭か。金足農高の先輩には中日で88年のリーグ優勝に貢献した小野和幸、ヤクルトで現役の石山泰稚もいるが、黄金時代の阪急でエースとして通算284勝、同郷の落合博満(ロッテほか)と80年代のパ・リーグで激突したのが能代高の山田久志だ。ほかにも、六郷高の村田辰美(近鉄ほか)、本荘高の工藤幹夫(日本ハム)らパ・リーグで活躍した投手は多い。セ・リーグ勢の筆頭はヤクルトで現役を続ける秋田商高の石川雅規だ。秋田商高には64年21勝の嵯峨健四郎(東映、現在の日本ハム)や、66年に完全試合の佐々木吉郎(大洋)、68年20勝の石戸四六(ヤクルト)ら好投手が多いが、卒業生で長く監督を務めた赤根谷飛雄太郎も急映(現在の日本ハム)の投手だった。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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