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山崎伊織、牧秀悟、伊藤将司、森博人…セ・リーグ6球団「2021年ドラフト2位入団」の現在地は?

 

シーズン最終盤を迎えているが、昨季のドラフト2位選手は今季、どのようなシーズンを送っているのか。2年目のジンクスを陥っているのか、ステップアップを果たしているのか。セ・リーグ6球団の「2021年ドラフト2位入団」の現在地をピックアップした。
※記録は9月16日現在

読売ジャイアンツ



 右ヒジ手術のリハビリでルーキーイヤーの昨季を終えた山崎伊織が、今季は完全復活。キャンプから猛アピールを続け、プロでの登板経験がない中で開幕先発ローテーション、しかも開幕第2戦の先発を任された。手術明けということもあり球数制限、ファーム調整を含めて登板間隔を空けながらの起用が続いたものの、シーズンが進むにつれて精度を上げていき、後半戦に限れば5試合に先発して3勝1敗、防御率1.41と「軸」の1人になりつつある。自慢のスライダーにシュートを交え、ストライクゾーンの左右を広く使いながら両サイドを突いていく投球にはさらに磨きがかかってきた。苦難の時期を乗り越え、未来のエース候補に名乗りを上げている。

横浜DeNAベイスターズ



 積極的な打撃がチームを引っ張っている。2年目を迎えた牧は今季出場全試合で四番に座り主砲として申し分のない成績を残している。打率、本塁打、打点のすべてでリーグ上位6人に入り、打率こそ下回るものの、シーズン10試合以上を残した状態ですでに本塁打、打点は昨年を上回る。令和初のサイクル安打達成、長嶋茂雄(元巨人)の持っていたセ・リーグ新人最多二塁打記録の更新(35本)、連続打席二塁打の新記録樹立(5打席)など記録づくしだった新人年のほうが話題性という面では上回っていたかもしれないが、牧の感情豊かで明るいキャラクターがチームにもたらしている影響はとてつもなく大きい。それでもまだ2年目。どのレベルまで行ってしまうのか期待せずにはいられない。

阪神タイガース



 2年目ですでに先発ローテーションに欠かせない存在になった。JR東日本から即戦力左腕として期待された1年目は10勝7敗。球団の新人左腕としては1967年の江夏豊以来2人目のシーズン2ケタ勝利となった。今季も先発の柱の一人として巨人戦で球団では37年ぶりとなる連続完封を記録。昨季9月から今季の9月まで甲子園で10連勝を飾るなど本拠地登板にも強い。さらに今季は6完投で無四球試合が2試合と抜群のコントロールと巧みな変化球がさえ渡っている。ここまで9勝5敗で防御率2.43。昨年の防御率は2.44であり、その安定ぶりが分かる。次回の登板で2年連続2ケタ勝利を目指す。

広島東洋カープ



 2年目ゆえの成長と難しさ。それを大いに感じながら森浦大輔は、懸命に腕を振っている。即戦力左腕らしく開幕一軍でスタートしたルーキーイヤーは、チームトップの54試合に登板。チームトップタイの17ホールドを挙げた。中継ぎ陣、特に勝ちパターンがなかなか定まらないチームにおいては、課題解消の筆頭候補。今季も開幕にこそ出遅れたものの、4月下旬に一軍昇格以降は14試合連続無失点をマークするなど確実に信頼を高めていき、見事に8回にもハマった。ただ、そこで結果を残し続ける難しさも味わう。「心技体すべてしっかりさせて」と佐々岡真司監督から二軍降格を言い渡されたこともあった。定位置確保とはならなかったものの、積み重ねた経験を今後に生かしていく。

東京ヤクルトスワローズ



 リーグ戦無敗の実績を引き下げて、東北福祉大から入団した山野太一だが、昨季の登板は一軍での1試合のみ。開幕2カード目のDeNA戦(横浜)に先発マウンドを任されるも、1回途中7失点KO。以降、上半身のコンディション不良を訴えてマウンドに戻ることはなかった。リベンジに燃える今季、5月5日のイースタン・日本ハム戦(戸田)で382日ぶりに実戦登板を果たし1回無失点。ここから徐々にイニングを伸ばしていくかと思われたが、6月21日の同戦を最後に、またしてもマウンドから遠ざかっている状況だ。先発ローテーションでの活躍を期待されていた左腕だが、復帰の道がなかなか見えてきていない。

中日ドラゴンズ



 日体大から即戦力として期待されて入団した右のスリークォーター。しかしルーキーイヤーの昨年、プロ初登板は9月に入ってから。その試合を含めて10試合に登板した。2年目の今季は開幕一軍切符を獲得、4月2日の広島戦(バンテリン)で延長12回二死に9番手から1人を抑えてプロ初勝利。ここまで主に中継ぎで23試合に登板しているが、僅差の場面での登板はまだ少ない。150キロ前後の真っすぐとカットボールが大きな武器。「毎回、必死に投げて抑えていくだけ」と言うが、勝敗のかかる大事な場面で投げたい気持ちは強いだろう。地元出身で小さいころからの中日ファン。ドラフト1位の高橋宏斗のブレークも大きな刺激になっている。

写真=BBM
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