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巨人、阪神、広島…熾烈なCS権争いで、「一戦必勝の戦いは原采配が上」の指摘が

 

3チームは残り3試合


百戦錬磨の巨人・原監督


 セ・リーグの3位争いが混沌としている。3位・巨人を、4位タイで並ぶ阪神広島が1ゲーム差で追いかける。巨人、広島、阪神はいずれも残り3試合。ここからは一戦必勝で1試合も落とせない。

 クライマックスシリーズ(CS)出場に最も近い位置にいたのが阪神だった。開幕ダッシュに失敗し、一時は借金16まの最下位に低迷したが、リーグトップの安定感を誇る投手陣を中心に立て直して前半戦で借金を完済。この勢いで逆転優勝の機運も高まったが、勝負の夏場以降に失速する。9月は月間6勝10敗1分。20日のDeNA戦(甲子園)で8回に逆転したが、9回に守護神・岩崎優の乱調で逆転負けを喫すると、翌21日の広島戦(甲子園)も4時間38分の激闘で延長11回に岩貞祐太加治屋蓮が打ち込まれて6点を失って力尽きるなど、ダメージの大きい負け方を喫した。

 広島は開幕ダッシュに成功したが、交流戦で5勝13敗の12位と沈んだ。その後も好不調の波が激しく、不安定な戦いが続いた。9月1日の阪神戦(甲子園)に敗れて借金が今季ワーストの9にふくらんだが、その後に5連勝を飾るなどチームの状態は上向いている。今季途中加入し、攻守の中心として奮闘していた秋山翔吾が発熱とコンデイション不良で今月10日に戦線離脱したのは大きな痛手だが、総力戦で白星を積み重ねるしかない。

投手陣が不安定だった巨人


 シーズン終盤に来て、攻守がかみ合ってきたのが巨人だ。今季は投手陣が不安定で、守護神・大勢につなぐ「勝利の方程式」が定まらなかった。主将・坂本勇人の度重なる戦線離脱、岡本和真の打撃不振も影響して低空飛行が続いた。

 巨人OBの堀内恒夫氏は週刊ベースボールのコラムで、「今季の巨人は投手と野手のリズムの悪さが、下位低迷の直接的な原因だよ。リズムの悪さを生み出す投手陣のマイナス要素を挙げるなら、今季は与えた四死球の数が多過ぎることだ。447というのはリーグワーストなんだから。最も少ない阪神の304と比べたら、一目瞭然。これも、今季の巨人がBクラスに低迷する大きな要因だと思うね。『エラーが多いから、ピッチャーの投げるリズムが悪くなる』と最初に書いたけど、これだけ四死球を与えていては投手陣もまったく言い訳はできない。巨人は投手陣の制球力が乱れている上に、守りが破綻してエラーが続発するなど、マイナス要素の連鎖から悪循環に陥った。こうした負の連鎖の結果がリーグワーストの防御率3.76、558失点だからね。これでは、絶対に勝てるわけがない」と指摘していた。

上昇気流に乗っている9月


9月21日のDeNA戦では四番・中田が犠打を決めた


 だが、戦力が整った9月に入り11勝6敗1分と上昇気流に乗っている。今月21日のDeNA戦(横浜)では1点リードの6回無死一、二塁で四番・中田翔に犠打を命じて見事に成功。この回は追加点に結び付けられなかったが、原辰徳監督の執念を感じさせる采配で逃げ切った。

 スポーツ紙デスクは、「百戦錬磨の原監督は戦況を見極めた采配に定評がある。負けられないトーナメントのような戦いでベンチワークが大きなウエートを占める。経験値がある選手が多いこともプラスアルファです。巨人が有利であることは間違いない」と分析する。

 リーグ優勝は逃したが、CSに進出して下克上のチャンスがまだ残っている。3位に滑り込むチームは果たして――。

写真=BBM
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