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“大松尚逸氏の甥”東海大・大松柾貴。リーグ戦初出場初スタメンで3安打猛打賞をマーク/首都大学リポート

 

好調の要因は「タイミングの取り方」


東海大・大松柾貴は尚逸氏[ヤクルトコーチ]の甥である


【9月25日】一部リーグ戦
東海大5x−4筑波大(延長12回)
(東海大1勝)

 東海大・大松柾貴(2年・東海大甲府高)はリーグ戦初出場となった筑波大1回戦で、3安打をマークした。「大松」の苗字に反応した野球ファンも多いかもしれない。東海大を経てロッテなどで活躍し、現在はヤクルト一軍打撃コーチを務める大松尚逸氏の甥にあたる。本人も「叔父さんは目標」と話し、試合前日にも連絡を取ったそうで「失敗を恐れずに積極的に行け」と助言をもらったという。

 大松は東海大甲府高では1年秋からベンチ入りするも、新型コロナウイルスの影響で、3年夏は甲子園をかけた地方大会が中止。山梨県高野連主催の独自大会では決勝で山梨学院高を5対4で下し、有終の美を飾っている。

「正直に言えば、『甲子園でやりたい』という気持ちがありましたが、大会前から『山梨で一番になる』と決めていたので本当にうれしかった」

 東海大に入部してからの1年間はベンチ外だったが、今秋の武蔵大1回戦で初めてのベンチ入り。そして筑波大1回戦では八番・DHで先発出場。スタメンに抜擢した井尻陽久監督は「彼の良いところは積極性。変化球にもついていけるし、この1週間は紅白戦でも好調。JR東日本との練習試合では1点リードされた9回に二死二塁から代打に送り、相手の守備のファインプレーで同点にはならなかったのですが、左中間へ素晴らしい当たりを放っていました」と語る。本人も「今は調子が良い」と話すが、その要因として挙げたのはタイミングの取り方だ。

「大学に入ってから、東海林航介さん(3年・星稜高)や森球紀さん(3年・東海大静岡翔洋高)にアドバイスをもらって工夫してきました。今はピッチャーがグラブから手を離したときに足を上げるようにしていて、スイングとしては内からバットを出して強くたたくように意識しています」

右打席からシュアなスイング


 初先発となり、試合前は「緊張して震えていた」という大松だが、試合では実力を発揮。第1打席で三遊間を真っ二つに破るリーグ初安打を放つと、第2打席は初球を流してライト前ヒット。さらに、第3打席も左翼線へ二塁打と長打も記録した。右打席からシュアなスイングを見せた。

「ヒットは3本ともストレート。真っすぐを待って、甘いところに来たボールをとらえることができました」

 第4打席は9回裏一死二塁とサヨナラのチャンスで打席に立つと「ビックリした」と本人も驚く申告敬遠も経験。試合は2点をリードされた延長タイブレークの12回裏に柳元珍(1年・八王子高)が逆転3ランを放って劇的なサヨナラ勝ち(5対4)を果たし、東海大は優勝戦線に踏みとどまっている。

 叔父の尚逸氏も東海大のタテジマのユニフォームを着て、外野手としてベストナインを3回受賞し、プロの道へと進んだ。大松は「社会人野球に進んで、長くプレーしたい」という意向を持っている。尊敬する叔父と同じ東海大で成長し、未来を切り開いていきたい。

取材・文=大平明 写真=BBM
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