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神奈川大会決勝で敗退も明るい表情。慶應義塾・森林貴彦が語る「秋の収穫」

 

関東大会出場を果たす


慶應義塾高は秋季神奈川県大会で準優勝。10月22日からの関東大会に出場する


 日本高野連は9月27日、大阪市内で選抜高校野球大会の運営委員会を開き、第95回記念大会となる来春のセンバツ出場校は、例年よりも4校多い36校となることが発表された。

 関東・東京は1枠増の7校。関東5校、東京1校が基数であり、残る1校は関東6位校と東京2位校の比較検討により選出される。

 同27日に神奈川大会決勝が行われ、横浜高が慶應義塾高を6対3で下し、4年ぶり19度目の優勝を決めた。県上位2校は10月22日から埼玉県で開催される関東大会に出場する。

 神奈川2位校・慶應義塾高は5年ぶりの関東大会。同校を率いる森林貴彦監督は「関東で2つ勝つ。私たちはどこかの県1位校と当たるわけですが、どこと対戦しても試合を作れる手応えはある」と語った。

 横浜高との決勝は1回裏に主将・大村昊澄(2年)、渡辺憩(2年)ら上位打線がつながり、福井直睦(2年)と延末藍太(2年)の適時打で2点を先制すると、2回にも大村のタイムリーで1点を加えて、主導権を握った。ところが、3回以降は相手の左腕・杉山遙希(2年)が立ち直る。流れが次第に横浜高へ傾くと、5回表に逆転を許してしまった。

 結局、1年夏、2年夏の甲子園経験者・杉山から追加点を奪えず、8回表には2失点し、最後は地力の差を見せつけられた。だが試合後、森林監督の表情は明るかった。「秋準優勝の収穫」についてこう語っている。

「夏の経験者がそんなにいるわけではないが、公式戦の中で力をつけてきた。主将の大村を軸に、ふだんの力を発揮できれば勝負はできる。関東大会までに、ディフェンス面を詰めて、精度を高めていきたいと思います」

 投手陣は変則フォームのエース右腕・松井喜一(2年)に、右腕・小宅雅己(1年)が十分、失点が計算できる。主将・大村は「自分たちの代は清原勝児(1年)のほか、元気がある。チームとしては『KEIO日本一』を掲げているので、関東大会で優勝して、センバツを決めたいです」と前を向いた。

 森林監督が言う「2勝」とは「関東4強」を意味する。先述のとおり、来春のセンバツの関東地区の一般選考枠は「5」が基数。ベスト8以上でも可能性は残るものの、準決勝進出を決め、5年ぶりの春の甲子園出場への当確ランプを灯しておきたいところである。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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