面白いのは北の球団?
今年も多くの大物選手が引退し、笑顔と涙の引退セレモニーをした。
この時期に引退セレモニーをしてもらえる選手は、自分で限界を感じ決断した選手だと思うが、ほとんどの選手は決断の前にチームから「来季の構想にない」と告げられたはずだ。
そのとき、みんな自分に問いかける。
「俺は、やり切ったか」
やり切ったと思えば引退を選ぶ。
そうでなければ別の道を探す。
俺は引退の時、やり切ったと思った。
悔いがまったくなかったわけじゃないけど、肉体的には、もう自分の思うような球は投げられなくなっていた。FAで獲ってくれた
巨人と
長嶋茂雄監督のためにもう少し何かしたかったという思いはあったが、96年、リリーフ投手として、多少だけど優勝に貢献できたかなというのもあった。
カープとジャイアンツにお世話になり、いい先輩、いい仲間たちと幸せな野球人生を送れたと思う。
ただ、もし、まったく巨人で何もできなかったらどうしただろう……。当時は独立リーグもない。たっぷり悔いを残しながらユニフォームを脱いでいたかもしれない。
「俺はまだやり切ってない」と思った1人が、
ソフトバンクの熱男・松田宣浩。世代交代が進むソフトバンクの野手陣の中で、押し出されたような形だ。
常時サードスタメンは厳しいだろうが、あの長打力と常勝軍団で過ごした経験、さらに言えば人気、明るさを魅力的と思う球団はあると思う。
ウワサでは巨人とか
中日が挙がっているが、俺は新球場の
日本ハムがいいんじゃないかと思う。まだまだ小粒な若い選手が多い中で彼の経験、勝利への執着心がプラスになるんじゃないかな。
こういう話はウワサだけで終わってしまうことも多いが、たぶん松田は来季もNPBの球団でプレーすると思っている。
まだまだ「熱男」の絶叫も聞きたいしね。
写真=BBM