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野村佑希、頓宮裕真、杉山一樹、太田光…パ・リーグ6球団「2019年ドラフト2位入団」の現在地は?

 

10月20日に今年のドラフト会議が開催されるが、4年前にドラフト2位で指名された選手はここまでどのようなプロ野球人生を送っているのか。パ・リーグ6球団「2019年ドラフト2位入団」の現在地をピックアップした。

北海道日本ハムファイターズ



 チーム最多の52試合で四番を務めた野村佑希。93試合に出場し6本塁打、36打点は昨年より下回ったが、打率.279は3年間でキャリアハイとなった。今季もケガとの闘いだった。左足首捻挫で開幕に間に合わず5月17日のオリックス戦(札幌ドーム)では顔面に死球を受け鼻骨骨折。しかし、休まず試合に出場し続けて打撃も向上。球宴のファン投票三塁手部門で初選出された。8月下旬からは左脇腹肉離れで1カ月間離脱したが最終盤に復帰。「打球を上げようと意識したら長打も三振も増えた。本塁打王を獲るような選手は打球のレベルが違う」と、来季は自分の長所を見極めて「中距離打者」を目指す考えだ。首位打者を獲得した松本剛を手本としていく。

オリックス・バファローズ


オリックス・頓宮裕真


 強打の捕手として入団した頓宮裕真だが、打力を生かすためプロ入りと同時に三塁に転向。1年目に五番・三塁で開幕スタメンに名を連ねるなど、大きな期待を寄せられた。ただ、不慣れな守備で失策が続くとバットにも影響を与える悪循環に。すると、捕手再転向を志願し、2年目から登録も捕手へ。守備技術も磨きをかけて勝負すると、徐々に捕手としての出場も増。今季も22試合でスタメンマスクをかぶった。一方で強打も健在で、シーズン後半は一塁や指名打者での出場も増え、自身初の2ケタ11本塁打をマーク。杉本裕太郎の不振もあった中で吉田正尚の後ろを打つ貴重な存在となり、逆転優勝への原動力となった。

福岡ソフトバンクホークス



 杉山一樹にとっては、与えられたチャンスに応える難しさを痛感させられるシーズンとなったことだろう。開幕先発ローテーション候補の1人としてオフシーズン、春季キャンプと取り組んできて、開幕3戦目の3月27日の日本ハム戦(PayPayドーム)で今季初登板初先発。ただ、その座を勝ち取ったというよりは、ライバルたちのアクシデントによって巡ってきた登板機会だった。それでも、ここからしっかりと結果を示してくれれば良かったのだが、相変わらずの制球難でなかなかイニングを重ねられず。イニングごとに人が変わったように崩れることもあっては、先発としては機能しない。今季あれだけのチャンスがあったにもかかわらず、自らの投球でふいにした。これからは有無を言わさぬ投球で、自らチャンスをつかみにいくしかない。

千葉ロッテマリーンズ



 躍動感あふれる投球フォームから繰り出す最速150キロ超の直球を武器に、1年目から救援で24試合登板を果たした東妻勇輔だが、安定した投球を続けられず。2年目は13試合と登板機会が減った。二軍調整が続くと、3年目の6月に一軍復帰。以降、降格することなく昨季は37試合登板を果たしたが、今季はわずか3試合登板にとどまった。今季、ファームでは40試合に登板して、防御率1.07と打者を圧倒するも、一軍では制球の不安定さもあり、働き場を確立できていない。タイロン・ゲレーロロベルト・オスナの両助っ人を筆頭に今季、チームトップの59試合に登板した東條大樹ら、豊富な救援右腕をそろえるチームだけに、競争を勝ち抜きたいところだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 大卒4年目の今季は開幕を二軍で迎え、一軍初スタメンマスクは4月23日まで待たなければならなかった太田光。捕手としては93試合出場の炭谷銀仁朗に対して、太田は71試合出場と後れをとっている。正捕手候補の一番手ながら、まだその座をつかんでいるとは言い切れない。最大の武器は強肩を生かした盗塁阻止の部分だ。また、今季はここまで打率.214ではあるが、意外性のあるバッティングも魅力の一つとなる。来季以降は打力のある安田悠馬も強力なライバルとして浮上してきそうだが、持ち味を生かして扇の要となる。

埼玉西武ライオンズ



 3年目の昨季、後半戦は先発ローテーションに定着した渡邉勇太朗は9試合の先発で4勝を挙げた。飛躍を期した今季、開幕先発ローテを勝ち取ったが初登板となった3月27日のオリックス戦(ベルーナ)で3回6失点KO。続く4月3日のロッテ戦(ZOZOマリン)も6回途中3失点で負け投手になるとファームへ。再び一軍に上がったのは7月22日。同日の楽天戦(ベルーナ)で先発すると6回途中2失点で今季初勝利をマークした。だが、翌日二軍落ちすると、その後は一軍で登板は叶わなかった。今季限りで“師匠格”の内海哲也投手兼任コーチがユニフォームを脱ぐことになり、引退会見に登場した渡邉は涙を浮かべながら感謝の手紙を読み、「まだまだ内海さんのような一人前の投手にはほど遠いですが、いつか必ず追いつき、追い越したいと思います」と誓った。来季が勝負のシーズンだ。

写真=BBM
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