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「カーブには自信がある」桜美林大“一部残留のキーマン”1年生左腕・澁澤康羽/首都大学リポート

 

着実に実力をつけた今秋


桜美林大の1年生左腕・澁澤は課題を克服し、リーグ戦初勝利を挙げた


【10月8日】一部リーグ戦
桜美林大4−2日体大
(1勝1敗)

 首都大学リーグ第6週1日目。今秋は下位に低迷し厳しい戦いが続いている桜美林大だが、日体大2回戦で先発した1年生左腕・澁澤康羽(桐光学園高)が好投を見せた。

 桐光学園高では3年春の神奈川大会で準優勝。関東大会でも4強に進出と素晴らしい成績を残した澁澤。しかも、高校時代は投手とともに外野手も務め、主に五番を任されていた。

「高校通算本塁打は10本くらいで、バッティングのほうが自信がある」と笑うが、「高校時代は投手としてのトレーニングをほとんどやっていなかったので、本気でやってみたいと思ったんです」と桜美林大への進学を機に投手に専念。今夏は球速アップを目指して体力強化に励んできた。

「先輩に話を聞きながら、メディシンボールをひたすら投げ、軸足の蹴る力を養うためにジャンプを繰り返してきました」。効果は表れてきており、9月には自己最速137キロを計測。ただ「目標は140キロです」とまだまだ上を目指すつもりだ。

 着実に実力をつけ今秋、第4週の日体大1回戦でリーグ戦デビュー。先発のマウンドに上がったものの4回途中で降板し、敗戦投手となっており、第6週の日体大2回戦は自身2度目の先発となっていた。

「前回の日体大戦では残念な結果に終わってしまったので『なんとかやってやろう』と思っていました」と強い意気込みを持って試合に臨んだ澁澤は、初回から快調に飛ばしていく。津野裕幸監督の「3回まで抑えてくれれば」という期待をはるかに超え、5回までノーヒットピッチング。日体大・古城隆利監督が「変化球を狙っていったがとらえきれず、簡単にフライを打ち上げてしまった」と振り返ったように、カーブを巧みに使った打たせて取る投球を見せた。

「緩急を付けた投球が自分の持ち味で、カーブには自信があります」とその言葉どおり、三振はゼロながら相手打線を打ち取っていった。6回表こそ、2つの四球をきっかけに2点を失ったが、6回を投げて1安打2失点と先発の役割をしっかりと果たしリーグ戦初勝利。

 黒星を喫した日体大に対して、きっちりとリベンジしてみせた。「連敗が続いたなか大事な場面を任されているので結果を出さなければいけませんが、次の試合も欲張らずにやっていきたい」と話した澁澤。チームに今季2勝目をもたらした左腕は、一部残留へのキーマンとなりそうだ。

取材・文=大平明 写真=BBM
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