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坂本勇人、京田陽太、大瀬良大地…各球団で誤算だった選手たち【セ・リーグ編】

 

 今季のセ・リーグはヤクルトがリーグ連覇を飾った。村上宗隆がシーズン日本記録の56本塁打、三冠王を獲得する大活躍を見せたが、他の選手たちも自分の持ち場できっちりと役割を果たした。一方で他球団は主力選手の故障や不調が大きな痛手に。持っている能力は高い選手たちだけに、来季の奮起が期待される。

中日ドラゴンズ



・京田陽太(中日)
今季成績 43試合出場、打率.172、3本塁打、8打点、1盗塁
通算成績 700試合出場、打率.246、22本塁打、181打点、75盗塁

 立浪和義監督の期待が大きかったが、プロ6年目で自己最少の出場試合数に終わり、遊撃のレギュラーも剥奪された。昨オフから課題の打撃力を上げるため、フォーム改造に取り組んだが試行錯誤を振り返し、自慢の守備でも精彩を欠くプレーが見られるように。5月4日のDeNA戦(横浜)で試合途中に名古屋へ強制送還を命じられてファーム降格。6月に復帰後も一軍定着できなかった。長年守っていた遊撃に19歳の土田龍空が台頭。攻守でハツラツとしたプレーを見せて立場が逆転した。中日を象徴する背番号1を身にまとう京田は、このまま終われない。

読売ジャイアンツ



・坂本勇人(巨人)
今季成績 83試合出場、打率.286、5本塁打、33打点、2盗塁
通算成績 1985試合出場、打率.291、266本塁打、944打点、160盗塁

 今季は開幕前を含めて故障により3度の戦線離脱。精神的支柱でもある主将の不在はチームの成績に大きく影響した。遊撃のレギュラーをつかんだプロ2年目の2008年以降で、自己最少の出場試合数に終わり、規定打席到達も14年連続でストップ。チームも5年ぶりのBクラスに低迷した。9月23日の中日戦(バンテリン)で2回に右前適時打を放ち、史上21人目の通算2200安打に到達。コンディションが整えれば、攻守でまだまだ衰えは見られない。守備の負担を減らすため、遊撃からのコンバート案も浮上する中、来季はどのポジションを守るだろうか。

横浜DeNAベイスターズ



・オースティン(DeNA)
今季成績 38試合出場、打率.156、1本塁打、3打点、0盗塁
通算成績 210試合出場、打率.289、49本塁打、133打点、1盗塁

 チームは前年の最下位から2位に躍進したが、球界屈指の強打者は不完全燃焼に終わった。右ヒジの張りを訴えて開幕二軍スタートとなり、4月に患部をクリーニング手術。リハビリを経て、一軍の舞台に復帰したのは8月だった。スタメン出場は一度もなく、代打の切り札として起用されたが不慣れな部分もあったのだろう。得点圏打率.067と勝負強さを発揮できなかった。2021年に107試合出場で28本塁打をマークするなど、フル出場できるコンディションを維持できれば打率3割、40本塁打を達成できる。CSで意地を見せたい。

阪神タイガース



・秋山拓巳(阪神)
今季成績 5試合登板、1勝3敗、防御率5.48
通算成績 132試合登板、49勝43敗、防御率3.60

 2020、21年と先発ローテーションで回り2年連続2ケタ勝利をマーク。昨オフに尊敬する先輩の岩田稔が背負っていた背番号「21」を継承したが、今季は試練の年になった。開幕から先発ローテーションに入ったが、要所で踏ん張れずに複数失点を重ねる登板が続き、5月12日に登録抹消。ファームで9勝3敗とアピールしたが、一軍の先発陣が安定していたこともあり、シーズン終了まで再昇格は叶わなかった。31歳とまだまだ老け込む年ではない。持ち味の制球力に磨きをかけ、復活なるか。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・奥川恭伸


・奥川恭伸(ヤクルト)
今季成績 1試合登板、0勝0敗、防御率2.25
通算成績 20試合登板、9勝5敗、防御率3.57

 プロ2年目の昨年にチーム最多タイの9勝をマークしてリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。今季は先発の中心として期待されたが、登板は1試合のみ。本拠地初戦となった3月29日の巨人戦(神宮)で4回を投げ終えた時点で降板。上半身のコンディション不良で翌30日に登録抹消された。一軍復帰を目指したが、シーズンに間に合わず。将来がある右腕に無理は禁物だ。佐々木朗希(ロッテ)、宮城大弥(オリックス)ら活躍する同期たちに能力は劣らない。万全の状態で一軍に戻ることを願うばかりだ。

広島東洋カープ



・大瀬良大地(広島)
今季成績 23試合登板、8勝9敗、防御率4.72
通算成績 228試合登板、75勝53敗2S24H、防御率3.56

 昨年にFA権を取得し、3年契約を結んで残留。5度の2ケタ勝利をマークしたエースは3、4月に6試合登板で4勝1敗と上々の滑り出しを切ったが、5月以降に打ち込まれる登板が続き、2度の登録抹消。大瀬良の調子が上がってこなかったのは、チームにとって大きな誤算だった。熾烈な3位争いを繰り広げる中、9月23日の阪神戦(マツダ広島)に先発登板して2回4失点KO。試合に敗れると、一塁ベンチに残って厳しい表情でグラウンドを見つめていた姿が印象的だった。6勝止まりに終わった九里亜蓮と共に、投手陣を引っ張らなければいけない存在だ。

写真=BBM
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