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宮西尚生、西川遥輝、中村剛也…各球団で誤算だった選手たち【パ・リーグ編】

 

 パ・リーグはオリックスソフトバンクと熾烈な優勝争いの末、ペナントレース最終戦でリーグ連覇を飾る劇的な幕切れとなった。日本ハムを除く5球団がシーズン終盤まで優勝の可能性があった混戦だったが、輝きを放てなかった主力選手たちがいる。悔しさをバネに復活してほしい。

東北楽天ゴールデンイーグルス



・西川遥輝(楽天)
今季成績 108試合出場、打率.218、7本塁打、37打点、19盗塁
通算成績 1335試合出場、打率.276、61本塁打、418打点、330盗塁

 日本ハムのスピードスターが昨オフに退団し、楽天に加入。チームの懸案だったリードオフマンを託され、3、4月は打率.333、5本塁打、21打点で月間MVPを受賞と最高のスタートを切った。首位快走の原動力になったが、5月以降は打撃不振で打率も急降下。シーズン終盤はスタメンを外れる機会が増えた。一軍出場がなかった新人の11年を除き、自己ワーストの打率で、チームもCS進出を逃して4位に。手を差し伸べてくれた楽天に貢献するためにも、信頼を取り戻したい。

埼玉西武ライオンズ



・中村剛也(西武)
今季成績 88試合出場、打率.196、12本塁打、31打点、0盗塁
通算成績 1954試合出場、打率.254、454本塁打、1302打点、26盗塁

 本塁打王6度、打点王4度獲得した実績を持つ長距離砲が苦しんだ。12本塁打にとどまり、打率も1割台に低迷。昨年は打率.284をマークするなど逆方向への軽打でヒットゾーンを広げていたが、今季は直球に差し込まれる場面が目立ち、ファウルや空振りするなど思い描いた打撃ができない。6月に右手親指痛で戦列を離れ、4週間後に復帰したが状態が上がらず、得点圏打率.141と勝負強さが影を潜めた。高い放物線を描くホームランアーチストの軌道は健在。もう一度はい上がる。

オリックス・バファローズ


オリックス・杉本裕太郎


・杉本裕太郎(オリックス)
今季成績 105試合出場、打率.235、15本塁打、51打点、4盗塁
通算成績 315試合出場、打率.262、56本塁打、168打点、9盗塁

 昨年は打率.301、32本塁打、83打点と大ブレーク。今季も不動の四番として期待されたが、春先から苦しんだ。3,4月で打率.133、1本塁打、6打点と絶不調で、1カ月持たず八番に降格。5月以降は調子を上げたが夏場以降に再び快音が止まり、好不調の波が激しい。8月下旬に左太もも裏の筋損傷で戦線離脱し、9月に復帰したが打撃不振で再び抹消に。リーグ連覇を飾り、安堵の表情を浮かべていたのが印象的だった。ペナントレースで悔しさを味わったが、戦いは続く。CS、日本シリーズで結果を出して意地を見せられるか。

千葉ロッテマリーンズ



・佐々木千隼(ロッテ)
今季成績 23試合登板、2勝3敗1H、防御率6.39
通算成績 104試合登板、16勝12敗1S27H、防御率3.49

 昨季は勝利の方程式に不可欠なセットアッパーとして、54試合登板で8勝1敗1セーブ26ホールド、防御率1.26。リーグ優勝には惜しくも届かなかったが、MVP級の活躍だった。今年も救援陣の柱として期待されたが、2月の春季キャンプでコンディション不良のため別メニュー調整が続いて開幕二軍スタートに。4月に一軍昇格したが、新型コロナウイルスに感染してすぐに戦線離脱した。1カ月後に戻ってきたが、球にキレを欠いて一軍に定着できず。成績を前年より大きく落とした。来年はシーズンを通じ、コンディションを整えられるかがカギを握る。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・武田翔太


・武田翔太(ソフトバンク)
今季成績 10試合登板、2勝1敗、防御率2.57
通算成績 188試合登板、65勝46敗2S9H、防御率3.31

 2016年に14勝をマークして以来、2ケタ勝利から遠ざかっている。昨年は4勝にとどまったが、オフの契約更改で9000万円増の推定1億5000万円の4年契約を結んだ。大型契約は球団の期待の表れだったが、先発ローテーションで稼働できない。2月の春季キャンプで広背筋付着部炎のため戦線離脱すると、4月に新型コロナウイルスに感染した。7月に入って一軍に昇格したが、8月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発登板し、3回2失点で緊急降板。右肘内側側副靱帯の炎症と浅指屈筋軽度の肉離れで今季絶望となった。能力を考えれば、2カ月だけの稼働は物足りない。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・宮西尚生


・宮西尚生(日本ハム)
今季成績 24試合登板、0勝3敗1S7H、防御率5.66
通算成績 808試合登板、36勝37敗12S380H、防御率2.50

 入団した2008年から続いていた50試合以上登板が14年連続でストップ。岩瀬仁紀(元中日)が樹立した15年のプロ野球記録にあと1年届かず、悔しい思いは強いだろう。今季は生命線のスライダーが精度を欠き、状態が上がってこなかった。5月までに20試合登板も防御率5.00と勝負所で痛打される場面が目立ち、6月1日に登録抹消。約2カ月間の二軍調整を経て7月29日に昇格したが、2週間も経たずに再び抹消された。9月上旬には左ヒジのクリーニング手術を受けた。宮西が稼働しなかった救援陣の防御率3.83はリーグワースト。最下位に低迷した責任を人一倍感じているだろう。来季は鉄腕復活を期待したい。

写真=BBM
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