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「融資係」でローンを担当。社業と野球を両立させる“銀行マン”藤井拓海がU-23代表のポイントゲッター

 

トップレベルのパワー


四国銀行・藤井拓海は持ち味のパワーで、侍ジャパンU-23代表で四番を任されている


 侍ジャパンU-23代表の主砲は銀行マンである。第4回WBSC U-23W杯(台湾、10月14日開幕)に出場する日本チームは「オール社会人」で臨む。

 10月8日に集合。9日には東京ガスと練習試合を行い、四番を任された四国銀行の右の強打者・藤井拓海(拓大)は2安打3打点の活躍。チームとしての初の実戦で、5対0の勝利に貢献した。

 6回表にチェンジアップを右前に運び、代表初安打。7回表の第4打席では一死満塁から走者一掃の左中間二塁打を放った。強化合宿で計測した打球速度、スイング速度、飛距離においてトップレベルのパワーを見せつけた。

「打席に入る前に、スポーツサイコロジストの布施さん(努、メンタルコーチ)から『思い切りいけ』と。前向きな気持ちでプレーさせてもらっているので良い結果が出ました」

 英明高では高校通算34本塁打、拓大では東都大学二部リーグで3本塁打をマークした。香川県出身。高知県高知市が所在地の四国銀行では、入社1年目の今夏に都市対抗出場。チームでは投手登録で、社会人日本選手権予選では、救援マウンドにも上がった二刀流だ。

 四国銀行の野球部員は平日の月、金曜日はフルで働き、火、水、木曜日は昼まで仕事をして、午後から練習という日々を送っている。

「勤務先の潮江支店長も、今回の代表入りに際して、背中を押してくれています。日の丸を背負うのは初めてで、海外へ行くのも初めて。メダルを持ち帰りたいと思います」

 配属は「融資係」でローンを担当している。「まだ、仕事も覚えている段階です(苦笑)」と汗を拭う藤井。いつも笑顔の真っすぐな性格であり、職場でも信頼を得ている。社業と野球を両立させる銀行マンが、U-23代表のポイントゲッターとなる。

文=岡本朋祐 写真=藤井勝治
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