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村上宗隆、伊勢大夢、青柳晃洋、森下暢仁…セ・リーグ6球団「2022年MVP」は?

 

ヤクルトの連覇で幕を閉じたセ・リーグ。現在はポストシーズンの真っ最中だが、激闘を繰り広げたシーズンでチームのMVPは誰になるのか。セ・リーグ6球団「2022年MVP」を選んだ。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・村上宗隆


 史上最年少・22歳で三冠王に輝き、本塁打数は歴代2位の56本。日本選手最多本塁打も更新した村上宗隆がチームMVPで間違いないだろう。シーズン前の自主トレで「獲れるタイトルはすべて獲りたい」と意気込んでスタートした2022年だが、今季初アーチは開幕7戦目のDeNA戦(4月2日、神宮)とスローペース。それでも、5月以降は調子を上げ、4年ぶりに優勝した交流戦では6本塁打、13打点、打率.351の活躍で交流戦MVPも獲得。また、6、7、8月期の月間MVPも受賞するなど、怒とうの勢いで打ちまくった。チームは29年ぶりにリーグ連覇を果たし、村上の2年連続のセ・リーグMVPは間違いなし。あとは日本一の栄冠を再びつかむだけだ。

横浜DeNAベイスターズ



 71試合登板、39ホールド、防御率1.72――。絶対的なリリーバーの存在なくして今年のチームは成り立たなかっただろう。伊勢大夢は今季、自身初の球宴に出場し、強打者から三振も奪った。シーズンでは泰然自若とした投球で勝ちパターンの先頭として走った。中でも9月22日の巨人戦(横浜)では圧巻の投球を披露。3対0とリードした8回にエスコバーが無死満塁とされ中田翔ら中軸を迎える場面での登板も、1点も与えず3人で抑えてガッツポーズを見せた。まだ24歳と若く、明大の後輩・入江大生らとともに今後のベイスターズの軸となることを確信させた瞬間だった。入団3年目にして確たるポジションを手にしたが、目標はあくまで「守護神」と話してきた。信頼を積み重ねた先にその座が待っている。

阪神タイガース



 チームが開幕9連敗、初勝利後に引き分けを挟み6連敗で迎えた4月15日の巨人戦(甲子園)で今季初先発したのが青柳晃洋だった。泥沼に陥っていたチームを8回1失点の好投で4対1の勝利に導いた。開幕投手に指名されながら新型コロナ陽性者となり離脱。ようやくエースが帰ってきた。次の登板もチーム4連敗後の22日ヤクルト戦(神宮)で9回3安打完封(6対0)。その後も快投を続け13勝4敗、防御率2.05の数字を残し最多勝と防御率、勝率でリーグ1位。絶対的エースとしてチームを1年間けん引し続けた。青柳がいなければチームが3位に食い込むことはできなかったはずだ。

読売ジャイアンツ


巨人・大勢


 借金4のBクラスに終わった今季のチームにあって、この男がいなければさらにいくつかの星を取りこぼしていただろう。ドライチ右腕の大勢だ。開幕前に新人としては異例のクローザーに抜てきされると、開幕戦でのセーブを皮切りに12球団最速で20セーブに到達するなど獅子奮迅の活躍。ツーシームのような真っすぐの最速をシーズン中に159キロに引き上げるなど、確かな成長の跡も見せてきた。シーズン中盤からチームが調子を落としてセーブシチュエーションでの登板機会が減少したものの、最終的には新人最多セーブに並ぶ37セーブをマーク。新人王の最右翼にいることは間違いないだろう。

広島東洋カープ



 今季を迎えるにあたって、森下暢仁は自覚をにじませた。「自分がチームの、ピッチャー陣の先頭に立って」。そして、その言葉どおり、しっかり試合をつくってシーズンを駆け抜けた。チームで唯一の規定投球回到達者は、先発投手ではリーグトップの27試合に登板し、リーグトップの178回2/3を投げた。そのうち、QS達成が17試合、HQSは13試合。援護に恵まれない試合も何試合かあった。それだけに2ケタ10勝止まりだったのが、残念でならない。ただ、投打がかみ合えば、勝ち星がもっと伸びるであろうことが明らか。来季は自身初となるタイトル獲得にも期待がかかる。

中日ドラゴンズ



 チームは6年ぶりの最下位に沈んだが、MVPに挙げたい選手はたくさんいる。高卒3年目にして最多安打を獲得した岡林勇希、先発から中継ぎに転向して最優秀中継ぎのタイトルを手にしたY.ロドリゲス。間もなく37歳にして村上宗隆(ヤクルト)と激しい首位打者争いを繰り広げた大島洋平。しかし一人だけとなれば、守護神のR.マルティネスになるだろう。来日6年目にして自己最多の56試合に登板、4勝3敗39セーブ5ホールドで防御率は0.97を記録。セーブ王に輝き、チームの勝利の多くはR.マルティネスとともにあったと言っていい。この男が最後にいなかったと思うとゾッとする。

写真=BBM
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