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吉川尚輝、大山悠輔、柳裕也、寺島成輝…セ・リーグ6球団「2017年ドラフト1位入団」の現在地は?

 

今年のドラフト会議は10月20日に行われるが、各球団がどの逸材の交渉権を手に入れるか注目される。今から6年前、2016年秋に行われたドラフト会議では田中正義(創価大)が5球団競合と人気が集中。同年のドラフトで1位指名された選手たちは今年6年目を終えた。セ・リーグ6球団の「2017年ドラフト1位入団」の現在地は――。

読売ジャイアンツ



 田中正義(創価大→ソフトバンク)、外れ1位で佐々木千隼(桜美林大→ロッテ)でクジを外したが、外れ外れ1位で獲得した吉川尚輝がようやく覚醒しつつある。入団以来、度重なるケガに悩まされてフルシーズンの活躍を見せることができずにいたものの、背番号を「2」に変更した今季は死球によるわずかな離脱にとどめてキャリアハイの132試合に出場。規定打席に到達してチームトップの打率277、16盗塁をマークした。自慢の守備では自己最多の11失策を記録したものの、それは広大な守備範囲の裏返しでもある。来季はさらなる成長を遂げ、不動の一番・二塁として全試合出場を目標に掲げる。

阪神タイガース



 今や打線の中心、いやチームの中心選手と言っていいだろう。今季は87打点でリーグ2位タイの数字を残し、後半戦途中から四番に座った。ドラフトでは当時の金本知憲監督が一本釣りで指名。1年目から将来の四番候補として75試合に出場し、7本塁打を放った。その後も順調に成績を伸ばして2年目から5年連続2ケタ本塁打。4年目からは3年連続20本塁打以上を記録している。2021年にキャプテンも務めるなどリーダー的な存在だ。守備は三塁、一塁、外野と固定されていないが、それでもいつどんなときも全力プレーで手を抜かない。まさに実力とともに背中で引っ張るリーダーとなっている。

中日ドラゴンズ



 明大のエース兼主将として東京六大学で活躍。DeNAと2球団の競合となったが、森繁和監督(当時)が交渉権を獲得して中日入団が決まった。即戦力投手と期待されての入団だったが、1年目の2017年は「うまくスタートを切れなかった」とわずか1勝どまり。翌18年も2勝と伸び悩んだが、3年目の19年に11勝と初の2ケタ勝利。5年目の昨季も再び11勝を挙げ、最優秀防御率と最多奪三振の投手2冠に輝いた。チームのエースは左腕の大野雄大だが、右のエースとしての地位を確立。今季は初回に失点するケースが目立って9勝どまりと最低ノルマとしていた2ケタ勝利には届かなかったが、緩急自在の投球術は健在。まだ28歳。立浪和義監督も「やってもらわなければ困る」と柳には大きな期待をかけている。

横浜DeNAベイスターズ



 もはや柳裕也(明大→中日)、佐々木千隼(桜美林大→ロッテ)の外れ外れ1位での指名だったことを忘れているファンも多いかもしれない。それほどに濱口遥大がDeNAで先発として支えてきた功績は大きい。1年目から22試合に先発し高い奪三振能力を生かして10勝をマーク。以降は2ケタ勝利こそないものの毎年先発ローテーションで左腕を振るってきた。今季も19試合に先発し、8勝を挙げた。制球力に磨きをかけ、コントロールを表す指標のK/BBはキャリア最高となる2.64を記録。力のある直球とブレーキの効いたチェンジアップの組み合わせは破壊力抜群で、来季以降も先発陣の一角としてフル回転してくれるだろう。

広島東洋カープ



 進化を見せたシーズンだった。過去5年間の矢崎拓也と言えば、9回一死まで無安打無失点投球というド派手なプロ初登板初先発(2017年4月7日のヤクルト戦=マツダ広島)が一番のインパクト。しかし、今季の活躍ぶりは、それを超えたと言ってもいいだろう。開幕一軍からスタートし、150キロを超える力強い真っすぐと鋭く落ちるフォークを武器に、徐々に信頼を高めていった。ついには8回を担うまでに。キャリアハイを大きく更新する47試合に登板して2勝0敗17ホールド1セーブ。防御率は1点台(1.82)だった。頼もしかったは、打たれようが、抑えようが、ピッチングスタイルを変えなかったことだ。苦しい経験も積んできたからこその強心臓。今後も貫いていく。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・寺島成輝


 今井達也(作新学院高→西武)らとともに高校BIG4として注目を集め、単独1位でヤクルトへ入団したのが寺島成輝だ。未来のエースとして背番号18番を与えられた左腕は、ルーキーイヤーの2017年にプロ初登板。その後はリリーフとして20年に30試合に登板し防御率2.48の成績を残していた。しかし、6年ぶりのリーグ優勝を果たした昨季は登板1試合、連覇を果たした今季は自身初の一軍出場なしに終わっており、シーズン最終戦を終えた翌日の10月4日に戦力外通告を受けた。今季はファームで30試合に登板も1勝7敗、防御率6.47だった。今後については「体は元気なのでやれる環境があれば、貪欲にもがいてもいいのかなと思っている」と現役続行の意思を示している。

写真=BBM
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