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森木大智、増田陸、山下輝…ネクストブレーク候補の若手たち【セ・リーグ編】

 

 今年は新星の台頭が目立つシーズンとなった。リーグ連覇を飾ったヤクルトは高卒3年目の長岡秀樹が遊撃のレギュラーに定着、巨人大勢は守護神で37セーブを挙げる大活躍。中日岡林勇希も高卒3年目で最多安打のタイトルを獲得した。新戦力の大ブレークはチーム力の大幅アップにつながる。ネクストブレーク候補たちの活躍が楽しみだ。

阪神タイガース



・森木大智(阪神)
今季成績2試合登板、0勝2敗、防御率6.23
通算成績2試合登板、0勝2敗、防御率6.23

 先発陣が充実している阪神で、「将来のエースになることは間違いない」と識者たちから絶賛されているのが森木だ。高卒1年目の今季は8月28日の中日戦(バンテリン)で一軍デビュー。6回4安打3失点で黒星スタートとなったが、投球内容は圧巻だった。最速154キロの直球は球威十分で、スライダー、カーブ、スプリットの精度も高い。5回まで1安打無失点に抑えて強烈にアピールした。右の本格派右腕に足りないのは経験だけだろう。高卒2年目で飛躍した中日・高橋宏斗のように、来季は大ブレークなるか。

中日ドラゴンズ


中日・鵜飼航丞


・鵜飼航丞(中日)
今季成績59試合出場、打率.206、4本塁打、16打点、1盗塁
通算成績59試合出場、打率.206、4本塁打、16打点、1盗塁

 名古屋で生まれ育ち、幼少のときから熱烈な中日ファン。ドラフト2位入団し、和製大砲として期待は大きい。1年目の今季は開幕一軍入りし、クリーンアップで起用された時期もあったが確実性を欠いた。6月下旬にファーム降格すると、7月に自打球を受けて左下腿三頭筋内側打撲で戦線離脱。一軍復帰までに3カ月かかった。苦しい時期のほうが長かったかもしれないが、ボールを遠くへ飛ばす能力はチーム屈指だ。外野の定位置を争ったアリエル・マルティネスが今季限りで退団。このチャンスを生かせるか。

読売ジャイアンツ


巨人・増田陸


・増田陸(巨人)
今季成績69試合出場、打率.250、5本塁打、16打点、2盗塁
通算成績69試合出場、打率.250、5本塁打、16打点、2盗塁

 主力野手の高齢化が進む中、増田陸は希望の光だ。ドラフト2位で入団して「坂本勇人2世」と期待されたが、故障もあり育成契約に。今年は春季キャンプを三軍で迎えたが、実戦で結果を残し続けることで評価を上げていく。開幕前に支配下登録されると、6月に中田翔中島宏之を押しのけて一塁でスタメン出場を続ける。夏場以降は調子を落としたが、闘志を前面に出すプレースタイルが巨人ファンの心をつかんだ。来季はどのポジションを守るか。出場機会を増やし、レギュラーをつかみたい。

横浜DeNAベイスターズ



・森敬斗(DeNA)
今季成績61試合出場、打率.234、2本塁打、6打点、5盗塁
通算成績113試合出場、打率.219、2本塁打、11打点、9盗塁

 俊足、強肩で打撃もシュア。現役時代の石井琢朗(DeNA一軍野手総合コーチ)を彷彿とさせる逸材だが、プレーの波を少なくすることが課題だろう。阪神と対戦したCSファーストステージ1戦目に「七番・遊撃」でスタメン出場したが、3回に中野拓夢の遊ゴロを握り損ねて出塁を許すと、打撃でも5回無死一塁の好機で犠打を成功できず空振り三振に倒れた。責任を痛感し、翌日は丸刈り頭でグラウンドに。まだ20歳と若いが、同期入団のヤクルト・長岡は一足先に遊撃の定位置をつかんでいる。森も負けられない。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・山下輝


・山下輝(ヤクルト)
今季成績2試合登板、1勝1敗、防御率1.46
通算成績2試合登板、1勝1敗、防御率1.46

 今季は9月に一軍昇格すると、30日の広島戦(マツダ広島)で8回途中5安打無失点の快投でプロ初勝利をマーク。「今日は母が一人で観戦しに来ているので、(ウイニングボールは)母に渡したいと思います」と初々しい表情を浮かべた。昨秋のドラフト1位で指名後に左前腕尺骨の疲労骨折が判明。春季キャンプは二軍でリハビリからスタートしたが、188センチの長身から小さいテークバックで投げ下ろす左腕は伸びしろ十分。151キロの力強い直球と変化球のコンビネーションでまとまっている。来季は先発の軸になれるか。

広島東洋カープ


広島・小林樹斗


・小林樹斗(広島)
今季成績1試合登板、0勝0敗、防御率9.00
通算成績2試合登板、0勝0敗、防御率9.82

 智弁和歌山高からドラフト4位で入団した本格派右腕は、今季一軍登板は5月21日の中日戦(マツダ広島)のみ。1回1失点と結果を残せずファームに降格したが、近未来のエースとして期待は大きい。ウエスタン・リーグでは8試合登板で4勝0敗、防御率2.70。6月4日以降、登板がなかったが昨季の9月29日のウエスタン・オリックス戦では自己最長の8回2失点で完投するなど、スタミナ十分で完成度が高い。広島の大先輩・前田健太(ツインズ)は高卒1年目に一軍登板がなかったが、2年目に9勝を挙げてエースへの道を歩んだ。小林も来季の覚醒が楽しみだ。

写真=BBM
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