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4カード連続の勝ち点で単独首位 慶大に頼もしい「増居翔太−橋本達弥」の継投リレー

 

「野球は投手力」がポリシー


慶大は明大3回戦[10月17日]を制して勝ち点4。投手陣は増居[左]、橋本[右]の4年生リレーで相手打線を無失点に抑えた


 東京六大学リーグ戦は「2勝先勝」の勝ち点制である。

 慶大は10月17日、1勝1敗で迎えた明大3回戦を制し、開幕から4カード連続の勝ち点4(8勝3敗1分)で、単独首位に立った。

 慶大の今秋の星取りを振り返る。

対東大 ●〇〇
対立大 △〇〇
対法大 〇●〇
対明大 〇●〇

 決して楽な戦いではなかった。4カード、すべてが3回戦へともつれているのである。3回戦は、心身とも疲弊した中での消耗戦。このタフな一戦を、モノにできたのはなぜか。

「野球は投手力」がポリシーとしてある慶大・堀井哲也監督は言う。

「増居、橋本のパターンができるので、心強い戦いができている。軸がしっかりしているから、仮に2戦目を落としても、気持ちを切り替えることができる」

 先発の柱である増居翔太(4年・彦根東高)は6勝無敗で、防御率1.42と抜群の安定感。フォークを武器とする絶対的なリリーバーの右腕・橋本達弥(4年・長田高)は17回1/3を投げて18奪三振、失点2、自責点1(防御率0.52)と見事な火消し役を見せている。

 リーグ終盤戦。1勝1敗の法大3回戦と明大3回戦は、増居と橋本の継投リレーで逃げ切った。増居は大学野球のエースの条件と言われる1、3回戦における勝利投手を2カード連続と、申し分のない投球内容を見せている。

「橋本? 心強いの一言です」


 法大戦、明大戦とのカードは2週続き、明大3回戦における疲労はピークだった。「疲れている中でも先を見据えずに、何とか一人ひとりのバッターと向き合うことができました」(増居)。慶大4対0のリードの6回表二死満塁の場面で、二番手・橋本に託した。このピンチを橋本は三振で切り抜け、慶大は終盤に3点を追加。橋本は9回まで打者10人、一人の走者も許さず、7対0で逃げ切っている。

 増居は「橋本? 心強いの一言です。絶対的存在じゃないですか」と言えば、橋本は「増居の頑張りに応えたい。全力で投げました。気持ちで負けないように、逃げずに向かっていきました」と、気力十分の投球だった。

完全優勝なるか


 優勝の可能性を残しているのは慶大、明大、早大の3校。明大は立大との第8週の最終カードで勝ち点を奪うことが優勝への条件で、最終週・早慶戦の状況を見守ることとなる。

 慶大は勝ち点を奪えば文句なし、勝ち点5の完全優勝である。第6週を終えて、慶大の四番・萩尾匡也(4年・文徳高)は打率.429、4本塁打、17打点と打撃3部門でトップに立っている。

 今秋は神宮で日本シリーズが開催される関係で、29年ぶりの9週制だ。ナイトゲームでヤクルトオリックスが対戦する第7週(法大−東大)、そして、日本シリーズが第6、7戦にもつれた場合に備えて、第8週(明大−立大)も単独カードが組まれている。慶大と早大は2週の空き週。伝統の一戦は万全の体調で臨める。明大の結果を受けての形になるが、見ごたえのあるライバル対決となりそうだ。

写真=矢野寿明
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