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小林誠司、松原聖弥、廣岡大志…巨人・大久保打撃コーチの指導で覚醒期待の選手たち

 

 今季5年ぶりのBクラスに低迷した巨人は、「デーブ」の愛称で知られる大久保博元打撃チーフコーチが就任。西武の打撃コーチで中村剛也の育成に尽力するなど2008年の日本一に貢献し、12年から楽天の一軍打撃コーチ、二軍監督、15年に楽天で監督を務めた。16年から野球評論家として活動する一方で、東京・新橋で居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営。YouTubeチャンネル「デーブ大久保チャンネル」も人気で、多方面で精力的に活動していた。

 巨人に復帰したのは現役引退した95年以来28年ぶり。データ分析に基づく野球理論に精通しており、コミュニケーション能力が高いことでも知られる。今季の548点はリーグ3位で、チーム打率.242はリーグワースト。一発頼みの打線ではコンスタントに得点を奪えない。小林誠司松原聖弥廣岡大志と伸び悩んでいる選手たちが、大久保打撃チーフコーチの指導でどう変化するか。彼らの覚醒に期待したい。

打力が定位置獲りのネック


巨人・小林誠司


・小林誠司
今季成績60試合出場、打率.148、0本塁打、5打点、0盗塁
通算成績745試合出場、打率.208、15本塁打、142打点、8盗塁

 大久保打撃チーフコーチがジャイアンツ球場で行われた秋季練習で、小林に熱血指導を行ったことが報じられ、話題になった。近年は大城卓三が捕手陣の中心となり、かつての正捕手だった小林は出場機会を減らしている。定位置獲りのネックになっているのが打力だ。2020、21年と打率0割台、今年も球団野手ワースト2位タイの40打席連続無安打を記録するなど、打率1割台とふるわなかった。16年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマークし、配球術にも定評があるなど守備面では申し分ない。打力を向上して正捕手を奪い返せるか。

リードオフマン復活へ


巨人・松原聖弥


・松原聖弥
今季成績50試合出場、打率.113、0本塁打、4打点、2盗塁
通算成績271試合出場、打率.255、15本塁打、60打点、29盗塁

 野手陣で一番の誤算が松原の打撃不振だった。昨季は135試合出場でチームトップの打率.274をマーク。12本塁打、15盗塁も自己最高の数字と外野の定位置をつかんだが、今年は春先から精彩を欠き、躍動感あふれるプレースタイルが影を潜めた。活躍した昨年も選球眼の向上が課題に挙げられていたが、欠点を克服することへの意識が強すぎて、持ち味の積極性が失われているように感じる。俊足巧打のリードオフマンとして活躍すれば、チームの得点力も上がる。大久保打撃チーフコーチが、松原をどう再生させるか注目される。

スケールの大きい打撃は魅力


巨人・廣岡大志


・廣岡大志
今季成績28試合出場、打率.180、0本塁打、4打点、0盗塁
通算成績342試合出場、打率.207、26本塁打、73打点、7盗塁

 身体能力はリーグ屈指。逆方向の右中間にも本塁打を打てるスケールの大きい打撃は魅力だ。昨年3月に先発、救援で実績がある田口麗斗との交換トレードでヤクルトから獲得したことが期待の大きさを物語っている。だが、現状ではその能力の半分も出し切っていない。主将・坂本勇人が度重なる故障で戦線離脱したが、このチャンスを生かせない。遊撃の守備でミスが目立ち、打撃も課題に指摘されていた確実性が上がらず、一軍に定着できなかった。大化けする可能性を秘めているが、何度もチャンスが与えられるわけではない。大久保打撃チーフコーチの指導で覚醒できるか。

写真=BBM
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