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潜在能力は球界屈指の佐藤輝明と大山悠輔 岡田阪神で「来季の四番打者」はどっち?

 

2年連続20本塁打も……



 岡田彰布監督が15年ぶりに復帰した阪神。注目されるのが四番争いだ。

 今季は矢野燿大前監督が、2年目の佐藤輝明を開幕から四番に抜擢。借金16とどん底まで沈んだ春先はチーム事情で二番、三番に配置転換される試合があったが、5月上旬から四番に再び固定されるように。昨年に比べて本塁打のペースは落ちたが、追い込まれても空振りせずに粘る打席が増えていた。

 だが、8月に月間打率.228、2本塁打、15打点と打撃不振が深刻に。9月に入っても復調の兆しが見られなかったため、6日のヤクルト戦(甲子園)から六番に降格すると、シーズン閉幕まで打順が変わることはなかった。全試合出場し、打率.264、20本塁打、84打点。左打者で史上初の新人から2年連続20本塁打を達成したが、潜在能力の高さを考えれば物足りなさが残る。本人も満足していないだろう。

 野球評論家の川口和久氏は週刊ベースボールのコラムで、佐藤に対しての思いをこう綴っている。

「糸井(糸井嘉男)が引退会見で、『もっと練習せい!』とゲキを飛ばしたのが、同じ近大出身で、これも左打ちの佐藤輝明だ。ポテンシャルという面では糸井の後継者と言っていいのだろう。ただ、1年目の佐藤には粗削りだが、ホームランを打つ能力なら糸井を超えるものを感じたが、今年はちょっとこじんまりしている。まだ23歳だ。守りに入ると自分のブレークポイントが見落とすときもある。練習量もそうだが、もっともっと失敗を恐れず大暴れしてほしい。それで超人・糸井を超える……なんと言えばいいんだろう……。編集部の締め切りまでに思いつかなかったんで、ちょっと苦しい言葉になるが、佐藤よ、“超超人・サトテル”になれ!」

課題は好不調の激しさ


阪神・大山悠輔


 左の長距離砲・佐藤に対し、右のホームランアーチストが大山悠輔だ。2020年に打率.288、28本塁打、85打点をマーク。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、120試合制で行われたシーズンで巨人岡本和真と熾烈な本塁打王争いを繰り広げた。昨季は四番でチーム最多の93試合にスタメン出場。今季は七番で開幕スタートし、その後は五番、四番、六番、三番とさまざまな打順で起用された。

 6月に月間打率.318、10本塁打、29打点と本塁打を量産し、五番が定位置に。大山の課題は好調の波が激しいことだろう。8月も月間打率.340をマークし、シーズン終盤は四番に返り咲いたが、シーズンを通じて打率.267、23本塁打、87打点。生え抜きの選手では史上6人目の3年連続20本塁打をクリアしたが、まだまだ発展途上だ。打率3割、30本塁打をクリアする能力は十分に備わっている。

岡田監督の大山評


 岡田監督は昨年に週刊ベースボールのコラムで、大山の打撃について、以下のように指摘している。

「これまでも大山は爆発的に打てる時期があった。それが長続きしない。これは余計なことを考え、余計なことをするからだとオレは分析している。例えば引っ張れるコースの球を無理して反対方向に打とうとしていた。なんで右方向を狙うのか? もちろん状況によって、そういうバッティングは必要だが、これによって持ち味を殺して、バッティングを狂わせてしまう。そういうことをこれまで繰り返してきた。阪神で5年連続の2ケタ本塁打はオレ以来と聞いたが、あまり深く考えず、シンプルに対応することを大山に期待する。もともと力のあるバッターなんやからね」

 佐藤と大山。共に打球を遠くへ飛ばす才能は球界屈指だ。左右の両輪がシーズンを通じて活躍しなければ、頂点に届かない。岡田監督が来季はどの打順で2人の強打者を輝かせるだろうか。

写真=BBM
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