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ドラフト指名漏れの悔しさを糧に。立大・山田健太は2年後の「運命の日」を目指す

 

「もっと数字を残せていたか、と」


明大2回戦[10月30日]。立大・山田は9回裏の第4打席で空振り三振に倒れ、悔しそうな表情でベンチに戻った


 1年春から数えて353打席目だった。

 明大2回戦(10月30日)。立大の主将・山田健太(4年・大阪桐蔭高)は2対4の9回裏一死一塁から空振り三振に倒れた。チームはそのまま敗退し、連敗で勝ち点を落とした。四番の神宮ラストゲームは、3打数無安打1打点(3三振)。立大は4位(4勝7敗1分、勝ち点2)で全日程を終えている。

 山田は1年春から数えて現役最多85安打を放ったが「もっと数字を残せていたか、と。タイトルもそう。上(のレベル)に行けなかったことが悔しい。うまくいかないことのほうが多かったが1試合、1試合、良い経験をさせてもらいました」と振り返った。

 大阪桐蔭高では3年時に甲子園春夏連覇を達成。中日根尾昂ロッテ藤原恭大ら同級生が高卒ドラフト1位でプロ入りする一方、山田は4年後のドラフト1位を目指すために大学進学した。立大では1年春に打率.375、2本塁打、7打点と衝撃の神宮デビューを飾った。1年秋も打率.333、4打点と活躍も、2年春以降は苦しむシーズンが続いた。

 2年春 打率.250 1本塁打1打点
 2年秋 打率.237 2本塁打4打点
 3年春 打率.316 1本塁打5打点
 3年秋 打率.270 1本塁打5打点
 4年春 打率.310 0本塁打4打点
 4年秋 打率.227 2本塁打8打点
 通算  打率.291 9本塁打38打点

「(1年時は)右も左も分からない状態で数字が出た。(その後は)打ちたい気持ちと結果が比例しなかった。後悔はないですが、もっと打って、立教を勝たせたかった」

 最終学年は主将を務め、大学日本代表においても主将としてキャプテンシーを発揮。4年間で心身ともたくましくなり、10月20日のドラフト会議を待ったが、指名漏れに終わる。

「これが現実ですし、プロに行けるチャンスもあと2、3年。後悔しないようにやり切りたい。社会人野球で続ける? その方向です」

 ドラフトにおける大卒社会人のプロ解禁は2年。10月30日。立大としての戦いを終え、山田は新たな目標である2024年の「運命の日」に向けて走り出した。社会人における2年とは長いようで、あっという間。山田は野球に対して真摯であり、このまま引き下がるわけにはいかない。取り返す機会はまだ、十分にある。1年春から数えて83試合目。キャプテンナンバー10を着けた山田は決意を胸に、慣れ親しんだ神宮を後にした。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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