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今オフの勝ち組は阪神? 西勇輝、岩崎優、岩貞祐太が全員残留に、「一番の補強」の声が

 

高水準の成績を残し続ける安定感


ゲームメーク能力に優れる西


 今オフのFA市場で参戦予定はない。だが、一番の「勝ち組」は阪神ではないだろうか。投手陣の屋台骨を支え、FA権を取得した西勇輝岩崎優岩貞祐太が全員残留することが決まった。

 スポーツ紙デスクは、「西は先発の軸、岩崎、岩貞もセットアッパーとしてチームに不可欠な存在です。他球団に移籍したら戦力ダウンは避けられない中、3人とも残ったのは非常に大きい。FAで他球団の主力選手を獲得するより、大きな“補強”だと思います」と強調する。

 西の強みはコンスタントに高水準の成績を残し続ける安定感だ。オリックスから2018年オフに阪神にFA移籍すると、在籍4年間すべての年で規定投球回数をクリア。3シーズンで防御率2点台と先発ローテーションの軸として稼働してきた。今季は9勝と2ケタ勝利に届かなかったが、打線の援護に恵まれなかった試合が少なくない。防御率はチームメートの青柳晃洋に次ぐリーグ2位の2.18で、18度のクオリティスタート(QS、先発投手が6イニング以上を投げ、かつ3自責点以内に抑えたときに記録)は青柳晃洋の18度に並ぶ。プロ14年間で投手タイトルを獲得したことは意外なことに一度もないが、十分に狙える力を持っている。

今季はクローザーを担った岩崎


 ポーカーフェースでピンチを切り抜ける岩崎の存在も大きい。17年からセットアッパーとして腕を振り続けてきたが、今季は春先に新外国人・ケラーが結果を出せなかったことから守護神に配置転換。57試合登板で1勝6敗28セーブ11ホールド、防御率1.96と奮闘した。マウンドを降りると、お立ち台では真顔から独特のワードセンスでスタンドを沸かすことも。来季以降も鉄腕がブルペン陣を支える。

「優勝の喜びを分かち合うように」


貴重なリリーフ左腕の岩貞


 岩貞は推定年俸4500万円で人的補償が不要のCランクだったため、権利を行使した際に複数球団による争奪戦が必至という見方が多かった。今季は直球が自己最速を更新する154キロを計測。昨オフにウエートトレーニングに精力的に打ち込んだ成果が出て、球威十分の直球、キレ味鋭いスライダーで相手打者をねじ伏せる投球を続けていた。53試合登板で2勝1敗、11ホールドをマーク。防御率2.57は入団9年目で最高の数字だった。西、岩崎に続き、残留を決断した岩貞は阪神の公式ホームページで、胸中を明かしている。

「本当に最後まで悩みましたが、阪神のユニフォームを着て優勝したいという思いは最後まで変わりませんでした。また、球団の方から、僕が10年以上も憧れて追いかけてきた能見(篤史)さんがつけていた背番号14をつけてくれと言われたときには、ものすごく響きました。このチームで、14番を背負って、チームメート、そしてタイガースファンのみなさんと、優勝の喜びを分かち合うことができるように頑張ります」

 岡田彰布監督にとっても、3人の残留は朗報だろう。週刊ベースボールのコラムでは、「オリックスの日本一が決まった日本シリーズ。力のあるチーム同士の激突は素晴らしい戦いだったが、やはり勝敗の分岐点は投手力を含めた守りやった。ヤクルトは守備のミス(マクガフの打球処理など)が響き、オリックスは若いセットアッパーの躍動。さらにベテランの比嘉(幹貴=オレが監督のときのドラフト2位入団)の渋い働き。やっぱり野球は守りよ。それを再認識したし、阪神の進むべき道が見えた。そんな気がしたんですね」と綴っている。

 投手を中心に守り勝つ野球へ。来季も西、岩崎、岩貞の活躍は不可欠だ。

写真=BBM
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