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中日から移籍の京田陽太と若手成長株の森敬斗 DeNAの「正遊撃手」をつかむのは?

 

遊撃の守備能力はリーグ屈指


中日からDeNAに電撃トレードされた京田


 最下位から2位に躍進したDeNA。内野陣は一塁・ソト、二塁・牧秀悟、三塁・宮崎敏郎と球界を代表する強打者が並ぶ中、レギュラーを固定できなかったのが遊撃だ。

 昨季のスタメン出場を見ると、大和がチームトップの65試合出場。森敬斗が42試合、柴田竜拓が36試合で続く。絶対的な選手がいない中で、球団は今オフに補強へ動いた。砂田毅樹との交換トレードで、中日から京田陽太の獲得を今月18日に発表。スポーツ紙デスクは、その狙いをこう分析する。

「昨季は精彩を欠いた京田だが、遊撃の守備能力はリーグ屈指。打撃も入団当初は決して悪くなかった。まだまだ十分に再生できるでしょう。大和も守備は安定しているが、35歳という年齢を考えると遊撃で常時出場は厳しい。俊足強肩の森は誰もが認める身体能力を誇るが、攻守でプレーにムラがある。レギュラー争いは横一線。選手たちのモチベーションは高いと思います」

 京田は中日の顔だった。1年目の2017年に遊撃のレギュラーに定着し、球団新人最多となる149安打をマーク。打率.264、4本塁打、36打点で新人王に輝く。8本の三塁打はリーグトップ。リーグ2位タイの23盗塁とダイヤモンドを疾走する姿に、中日ファンはロマンを抱いた。その後も遊撃のレギュラーで5年連続100安打を記録したが、持っている能力を考えると殻を破り切れていないようにも感じた。

 今年から就任した立浪和義監督に中心選手と期待され、意気に感じていた。シーズン前に週刊ベースボールのインタビューでは、「どこかの記事で読みましたが、監督が今の戦力でも十分戦えると言っていました。これは燃えましたね。選手にとって、これほどうれしい言葉はないと思います。うれしいのひと言です。やるしかありません」と思いを新たにしていた。

 だが、昨秋から取り組んでいた打撃フォーム改造で試行錯誤を重ね、悩んでいる様子が覇気のないように映ってしまった。5月4日のDeNA戦(横浜)で試合途中に名古屋へ強制送還を命じられてファーム降格。正遊撃手の座を剥奪されると、一軍定着すらできなかった。43試合出場で打率.172、3本塁打、8打点。京田の野球人生を考えたとき、他球団のほうが輝けると判断した中日フロントの親心もあったのだろう。DeNAに移籍することで、眠っていた才能が引き出される可能性は十分にある。

他球団の同期に負けじと


正遊撃手候補として期待は大きい森


 強力なライバルが加入したが、森は負けられない。高卒3年目の今季は61試合出場で打率.234、2本塁打、6打点。阪神岡田彰布監督が野球評論家を務めていた今年1月、週刊ベースボールのコラムで、「森がレギュラーをつかめば、打線のバランスがよくなる。彼もセンスの塊のような選手やし、守備でもチームとして世代交代の時期にさしかかっている。森が一本立ちできるかどうか。それを見守りたいと思います」と期待を込めていたが、2月のオープン戦で右太腿裏の肉離れと左足首の捻挫により戦線離脱。6月上旬に一軍合流してチャンスを与えられたが、小技を含めた状況判断に応じた打撃に課題を残し、自慢の足も生かしているとは言えない。5盗塁を決めたが、4度失敗。プレーの精度を高める必要がある。

 同世代のヤクルト長岡秀樹オリックス紅林弘太郎は遊撃のレギュラーをつかんだだけに、森も負けられない。京田やほかの先輩たちとのレギュラー争いを制し、ブレークできるか。

写真=BBM
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