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日本ハム・上沢直之がメジャー挑戦志願 「山崎康晃、藤浪晋太郎より評価は上」の声が

 

先発としての高い質


今季は納得いく成績ではなかったかもしれないが、随所に光る投球を見せた


 日本ハム上沢直之が契約更改の席で、来オフにもポスティングシステムでメジャー挑戦する意向を球団に伝えたことがメディアで報じられた。エース格の投手だけに球団も首を簡単に縦に振れない。今後も双方で話し合いを重ねると見られるが、複数のメジャー・リーガーをマネジメントする球界関係者はその実力を認める。

「先発投手としてのクォリティーが高く、スタミナも十分。もし、メジャー挑戦が実現するようだと、今オフにポスティングシステムでメジャー移籍を目指す阪神藤浪晋太郎、メジャー移籍を希望したが球団と話し合いの末、6年契約で残留を決断したDeNA山崎康晃より評価は上になるでしょう」

 右ヒジの故障を乗り越え、先発ローテーションに定着したのが2018年。11勝6敗、防御率3.16をマークし、3完封はリーグトップだった。19年6月18日のDeNA戦(横浜)でネフタリ・ソトの打球を左ヒザに受け、左膝蓋骨を骨折して長期離脱した際は、「今回のことはプレー中に起きたことですし、ピッチャーをやっている以上仕方のないことだと思います。ソト選手の打球は速すぎて見えませんでした笑 それはソト選手が素晴らしい打者であると同時にそのような打者と対戦できることはピッチャーとして幸せです!」と自身のツイッターでソトを気遣うメッセージを発信したことが話題になった。心優しき右腕は戦列を離れても、不屈の精神で何度も立ち上がる。昨年は12勝6敗、防御率2.81と自己最高の成績を残した。

 新庄剛志監督が就任した今季は開幕から6試合連続で白星に見放されたが、5月は4試合に先発登板して4勝0敗、防御率0.58で月間MVPを獲得。7月16日の西武戦(札幌ドーム)で右足中指に打球が直撃して骨折すると、骨吸収素材による骨接合術を受けて約1カ月後に一軍のマウンドに復帰した。8勝9敗、防御率3.38は納得できる数字ではないかもしれないが、2年連続規定投球回数をクリアした。

狙い球を絞らせない投球


 上沢の強みは打者を抑える術を熟知していることだ。身長187センチの長身から投げ下ろす直球は角度があり、スライダー、カットボール、フォーク、ナックルカーブと質が高い多彩な変化球を操る。週刊ベースボールのインタビューで、自身の投球スタイルについて以下のように語っている。

「僕は真っすぐだけで、ガンガン攻められる投手じゃないので、すべての球種を万遍なく使いながら抑えたいですし、そうしないと抑えられないと思っています。打者に狙い球を絞らせない投球ですね。ピッチングとはそういうものだと思っています。分かりやすく例えるなら『じゃんけん』です。相手が予想していないボールを投げることができれば打ち取れる、投手の勝ちです。逆に、打者の予想が合ってしまえばヒットやホームラン。だから、こちらの選択肢はいくつもあったほうが強い。勝負できるボールが『グー』『チョキ』『パー』の3種類以上あれば、勝つ確率は上がりますよね」

 チームは9年ぶりに最下位に沈み、4年連続Bクラスと低迷した。海の向こうでプレーする夢を抱いているが、日本ハムでチームメートと共に頂点に立ちたい思いは強いだろう。来季はキャリアハイの成績を目指す。

写真=BBM
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