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丸佳浩は過小評価されている?「チームへの貢献度はトップクラス」の声が

 

巨人へFA移籍後も活躍


巨人移籍後もコンスタントに結果を残している丸


 今オフに森友哉西武からオリックス伏見寅威がオリックスから日本ハム嶺井博希DeNAからソフトバンクに、それぞれFA移籍することが決まった。大きな期待が寄せられる半面、新天地で好結果を残すことは決して簡単ではない。これまでFA移籍した選手の中で、力を発揮できずチームを去った選手は少なくない。

 最も結果を残すのが厳しいと言われる球団が、巨人だ。メディアの注目度が高いため、活躍しなければフォーカスされる。また、選手層が厚いため力を発揮できなければ復調の猶予を与えられる時間は他球団より短く、出場機会が減る。2016年オフに日本ハムからFA移籍した陽岱鋼は在籍5年間で1度も規定打席に到達できず、昨オフに退団。17年オフに西武から加入した野上亮磨も在籍4年間で計5勝に終わり、昨季限りで現役引退した。20年オフにDeNAから入団した井納翔一は2シーズンで1勝に終わり、来季の戦力構想から外れる形で退団した。

 その中で、18年オフに広島からFA移籍した丸佳浩は4年間、コンスタントに結果を残し続けている。昨年は打撃不振で6月に故障以外で9年ぶりにファーム降格するなど打率.265、23本塁打、55打点と不本意な成績だったが、今年は全143試合出場で打率.272、27本塁打、65打点をマーク。一、二,三、五、六番とチーム事情に応じてさまざまな打順を打ち、出塁率.370はチームトップ、リーグ全体でも3位の好成績だ。

 スポーツ紙記者は、「岡本和真が打撃不振、坂本勇人が度重なる故障で戦線離脱と誤算が相次いだ中、1年間試合に出続けて高いパフォーマンスを発揮した。広島時代に比べて物足りないという声もありますが、よく頑張っていると思います。中堅の守備でも左翼・ウォーカー、右翼・ポランコの布陣で大きな負担が掛かっている。目立たないので過小評価されているように感じますね」と丸の働きぶりを評価する。

 技術だけでなく、体の強さも一流選手の証だ。広島に在籍時は14年から4年連続全試合出場。16年から球団史上初のリーグ3連覇を達成したが、丸抜きでは考えられない。18年に打率.306、39本塁打、97打点で2年連続セ・リーグMVPに輝き、最高出塁率(.468)のタイトルを獲得。巨人にFA移籍以降も19、20年と2年連続全試合出場でリーグ連覇に貢献している。原辰徳監督が「実は丸は骨折していたんですね。完全に治りきっていない」と明かして驚きの声が上がった。

日本一への強い思い


 来年は右翼にコンバートされることが決まった。守備の負担が軽減されることで、打撃にも好影響を及ぼす可能性が高い。果たしていない目標もある。丸は広島、巨人で「1人5連覇」を達成したが、日本シリーズではすべて敗れている。20年にリーグ優勝したときの会見で「僕は今年、5年連続優勝していますけど、まだ1回も日本一になったことがない。選手の誰よりも日本一に飢えていると思う。そこは気持ちを前面に出して、5度目の正直じゃないですけど、取れたら良いなと思います」と誓っていたが、このときも日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫して雪辱を晴らせなかった。

 その後は2年連続V逸で、今季は5年ぶりのBクラスに沈んだ。誰よりも負けず嫌いな丸の心中は穏やかではないだろう。V奪回、そして日本一へ。移籍5年目の来季も攻守でチームを引っ張る。

写真=BBM
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