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才能が覚醒間近 日本ハム・清宮幸太郎に「来季は本塁打王争いのダークホース」の期待が

 

本塁打、打点はチームトップ


来季、さらなる成長が期待される清宮


 日本ハム清宮幸太郎が12月2日、札幌市内の球団事務所で契約更改に臨み、約2倍増の3300万円でサイン。来季は新庄剛志監督の胴上げと共に、「誰よりも本塁打を打つ」と力強く宣言した。

 新庄監督が就任した今季は野球人生の分岐点となった。昨年は故障でなかったにもかかわらず、一軍出場なし。早実で通算111本塁打をマークし、ドラフトで7球団が競合した逸材は輝きを失っていた。

 誰よりも「変わりたい」思いが強かっただろう。新庄監督の指令を受け、昨オフに9キロの減量を敢行。指揮官と稲葉篤紀GMの助言で打撃フォームを大幅に改造するなど必死だった。自己最多の129試合出場したがスタメンを勝ち取ったわけではなく、首脳陣に我慢して起用してもらっている立場からは脱していない。打率.219と確実性を欠き、状態が悪いときは軌道修正に長引いた。だが、18本塁打、55打点はいずれもチームトップ。軽々とスタンドに運ぶ本塁打の飛距離は球界トップクラスだ。

 清宮には華がある。スター性は持って生まれたものだろう。「プラスワン投票」で初出場した球宴1戦目(PayPayドーム)で、同点の9回に左中間へサヨナラアーチ。MVPを受賞した試合後のお立ち台で「やったぜ!」と新庄監督に呼びかけると、指揮官もうれしかったのだろう。自身のインスタグラムを更新し、「オールスターMVP受賞 清宮幸太郎君 おめでとう あそこで回ってくる星をモッてる選手 あそこで打てる実力がある選手 彼の人生において大きな自信となった1日になったはず インタビューのやったぜ は笑いました!! ダイエットさせてなかったらレフトフライだった説!!」と喜びを露わにしていた。

「北海道のスターになってほしい」


 野球評論家の川口和久氏は週刊ベースボールのコラムで、エールを送っている。

「清宮は、すごく素直で優等生の雰囲気もある。これまではきっと、いろいろな人のアドバイスを聞き、必死に自分を変えようとしてきたはずだ。ただ、プロの世界は素直さだけではやっていけない。いろいろな人のアドバイスを素直に聞きつつも、自分に合っているものだけをセレクトし、ほかは右から左にしていかなきゃいけない。清宮は、日本ハム発信で大流行中のきつねダンスも踊っていた。もともと狸顔かと思ったけど、痩せて、少しきつねっぽくなってきたから何だか似合う。これからはぜひ狸の愛嬌ときつねの狡猾さを併せ持った北海道のスターになってほしい」

飛躍への課題は選球眼


 まだ、レギュラーを確約された立場ではない。期待値が高まる来季は打率、本塁打、打点とすべての部門でさらなる上積みが求められる。成長軌道で良きお手本となる存在が、清宮と同期入団のヤクルト村上宗隆だ。レギュラーに定着した2019年に打率.231、36本塁打をマーク。翌20年に打率.307、28本塁打と確実性を高め、最高出塁率(.427)のタイトルを獲得している。

 スポーツ紙デスクは「清宮の課題は選球眼。まだボール球に手を出す機会が目立つ。際どい球を見極められるようになれば、有利なカウントになりホームランにできる甘い球が増える。本塁打王争いは西武山川穂高という絶対的な存在がいますが、長距離砲としての才能は清宮も決してヒケをとらない。タイトル争いのダークホースになる活躍を見せてほしいですね」と期待を込める。

 まだ、才能が覚醒したとは言えない。球界を代表する強打者へ、スタートラインに立ったばかりだ。

写真=BBM
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