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プロ野球レジェンドが沖縄に集結! 名・珍場面続出で会場は大盛り上がり

 

セ22人、パ人14人の計36名のレジェンドが沖縄に集結。晴天の沖縄セルラースタジアム那覇でユニフォーム姿を披露した


 往年・現役の名球会プレーヤーが沖縄に集結。今年の沖縄本土復帰50周年と、昨年那覇市市制100周年を記念して一般社団法人日本プロ野球名球会は12月10日、沖縄セルラースタジアム那覇で「名球会ベースボールクラシック2022沖縄」を開催した。

 さらなる野球の発展と、底辺拡大を目的に例年実施していた本イベントだが、ここ数年は新型コロナの流行拡大の影響で開催を見合わせており、この沖縄での開催も本来は昨年に予定されていたが執り行えなかった。

 一年越しの開催となる今回は昨日就任が発表された古田敦也新理事長を始め、これまで5期10年の理事長を務めた山本浩二顧問など35人の名球会プレーヤーが参加。昨日まで悪天候続きだったのが嘘のような好天の下、最高気温は25度まで上った。29年の現役生活で通算219勝を挙げた山本昌広は「毎年、中日のキャンプで沖縄に訪れていて、やっぱり暖かくて(沖縄)いいなって思いました。最高の野球日和で素晴らしい一日でした」と語る。

 午前は、少年野球の選手180人を招いた野球教室を行い、技術指導はもちろん、しっかりとあいさつするといった礼儀作法や協調性の大事さを直接伝えながら約1時間触れ合った。あこがれの選手を目前に子どもたちは目を輝かせながら練習に取り組み、中には佐々木主浩からフォークの投げ方について教えを請うような積極的な姿も。来季から埼玉西武の監督に就任する松井稼頭央は「本当に時間経つのが早いなって思いました。これを機にさらに野球を好きになってくれて、プロを目指して頑張ってくれることを楽しみにしています」と、沖縄の野球少年にエールを送った。

名球会の新理事長に就任した古田敦也氏は真剣な表情で子どもたちにコーチングする


佐々木主浩氏は子どもたちからの要望に応えフォークボールの投げ方を伝授


 午後には4年ぶりとなる名球会オールスター戦を7回ルールで実施。セ・パ対抗戦で行われ、セ・リーグ先発の黒田博樹は初回をわずか4球で仕留めると、2回も無安打ピッチで大役を務めた。パ・リーグは東尾修が先発し、先頭打者の山本浩二と直接対決。病気療養を経てバッターボックスに立つ姿に観客は大きな拍手で迎え、豪快なスイングで快音響くシーンもあったが、対決の行方は四球決着。両者はこの対決のみでベンチへ退き、両軍の監督に専念した。

 試合はセ・リーグが3回までに4点を挙げて優位に立ったものの、84歳の米田哲也の快投などもあってパ・リーグが踏ん張ると、徐々に点差を詰める展開に。6回には小久保裕紀の適時打で同点とし、和田一浩の犠飛でついに逆転する。このまま予定の7回を終え、パ・リーグが逃げ切った……かに思えたが、直後に山本浩二監督がホームベースのところまで歩み寄ると、パ・リーグの東尾監督の前で「あと1イニング」と土下座で懇願。それが了承されて、泣きの1イニングが敢行されたものの、小久保が再び適時打で追加点。その裏、セ・リーグは野村謙二郎が四球を選び満塁のチャンスを生み出したが、続く坂本勇人がフライで凡退。最後は谷繁元信の左飛で無得点に終わりギブアップ。6対4でパ・リーグが勝利した。

セで出場のラミレス氏は現役さながらのバッティングを披露し観衆を沸かせた


二塁打を放つ松井稼頭央氏。投手としても野手としても見せ場を作った活躍でこの試合のMVPに輝いた


一度は敗れたセの山本浩二監督が泣きの1イニングを懇願。パの東尾修監督は山本監督に土下座を求めた


6対4で勝利したパのメンバーたち。敗れたセのメンバーや見に来た観衆も含めみんなが笑顔になるイベントだった


 試合を終え、今季限りでプロ野球からの引退を表明し、来季は独立リーグの「大分Bーリングスでプレーする内川聖一は「現役なんだからしっかりやれよと言われましたが、先輩方の姿を見ていて本当に夢みたいな時間を過ごしましたし、ワクワクする思いで参加しました。これから野球の普及活動にしっかり関わって、もっと野球界を盛り上げていきたいです」と、今後も名球会の活動への積極的な貢献を約束。

 適時打でセ・リーグの4点目を挙げた鳥谷敬は「お客さんもベンチもみんな楽しんでいて、なかなかコロナ禍で人が集まる機会もかなり減っていた中で、名球会がこうしてイベントを開催することができて本当に良い一日でした」と、4069人を集めたオールスター戦の感想を語った。

 4年ぶりの名球会によるファンイベントは大盛況のうちに閉幕。古田新理事長からは「せっかくだからまたハワイで集まれたらいいという話も挙がっています(笑)」とも語っている。新たな時代の名球会の活動にも大いに期待したい。

写真=BBM
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