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川口和久WEBコラム

上原浩治、藤川球児の名球会入りは特例じゃなく基準を変えての入会にすべきじゃないかな/川口和久WEBコラム

 

名球会にあこがれた男として



 名球会のイベントが沖縄で行われ、大盛況だった。参加者は最年少の坂本勇人(巨人)が33歳、最年長の米田哲也さん(元阪急ほか)が84歳だから、ほぼ孫とおじいちゃんみたいなものだね。

 レジェンドと言われる人たちが、こうやって年に一度でもイベントを行うことは、野球の普及のために大きなことだと思う。

 ただ、何だかな……。

 前理事長はカープの大先輩の山本浩二さんだし、怒られるかもしれないが、何だか腑に落ちないんだ。

 イベントにじゃないよ。

 名球会に特例で上原浩治(元巨人ほか)、藤川球児(元阪神ほか)が入ることだ。2人とも俺なんか及びもつかない素晴らしい選手だし、名球会入りに文句があるわけじゃない。

 ただ、特例というのが嫌なんだ。
 
 名球会は、ずっと200勝、2000安打を条件でやってきて、少し前、250セーブも加わった。今回は、上原の日米通算100勝、100セーブ、100ホールド、藤川の日米通算245セーブが評価されたというが、だったら特例じゃなく、名球会の基準を変えればいいんじゃないかな。

 基準が変わって2人が入るなら拍手、特例だとすっきりしないというのが、俺の意見だ。

 もっと言えば、1年の特例は1人で十分だと思う。

 時代に合わせての変化はあってもいい。投手の会員が打者に比べて少ないと言うなら、180勝とか240セーブにハードルを下げてもいいだろう。ただ、繰り返すが、特例はどうなのかと思う。

 何で、そんなことを言うかと言えば、俺たちの時代、名球会は聖域みたいなもんだった。名球会の200勝を目指してという人がたくさんいたし、俺もそうだった。

 特例が連発になると「名球会を目指したい」という気持ちが薄れそうな気がするんだ。

 もう1つ言えば、セーブにしろホールドにしろだが、制度ができる前の選手もいる。

 ホールドで言えば、例えば、わが尊敬する先輩・大野豊さんは148勝、138セーブを挙げているし、ホールドもそれなりにあったんじゃないかな。やるなら過去のそういう人たちに対してもしっかり記録を見直してほしい。

 こういうこと書くと嫌われそうだが、かつて名球会にあこがれた元選手からの言葉です。

写真=BBM
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