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メルセデスがロッテ入団 巨人OBが絶賛した左腕に「吉井監督の手腕で覚醒」の期待が

 

吉井監督も大きく期待


今季は巨人で5勝をマークしていたメルセデス


 吉井理人監督が就任したロッテが、戦力補強に動いている。

 タイガースで今季メジャー登板を果たしたルイス・カスティーヨ、巨人で来日通算29勝をマークしたC.C.メルセデスの入団を12月14日に発表。メルセデスは球団を通じ、「まず始めにこの機会を与えてくれた千葉ロッテマリーンズに心から感謝したいと思います。また、いつも私を支えてくれ、試合でベストを尽くせるエネルギーを与えてくれる家族にも感謝したいです。千葉ロッテマリーンズの新しい監督、コーチ、チームメイト、スタッフ、そしてロッテマリーンズのファンの皆さまにお会いできることをとても楽しみにしています。千葉は素晴らしい場所です。この街にチャンピオンシップをもたらすために一生懸命働きます。日本でお会いしましょう!」と力強く宣言した。

 吉井監督も「左の先発ピッチャーとして期待をしています。日本で実績もありますし、リーグが変わることでさらに飛躍をしてくれるのではないかと思います」と先発ローテーションでの活躍に期待を込めた。

右打者の内角にカット気味に入る球


 メルセデスは2017年に育成枠で巨人に入団し、6年間在籍で通算83試合登板、29勝28敗、防御率3.14の成績を残している。18年のシーズン途中で支配下昇格し、来日デビュー登板となった7月10日のヤクルト戦(神宮)で先発し、5回5安打無失点でプロ初勝利をマークした。

 球団OBの堀内恒夫氏は週刊ベースボールのコラムで、「彼の投球で特徴的だったのは、右打者の内角にカット気味に入って来る球だ。打者の手元で小さく変化する。打者にとってはこれがやっかいで、思わず手を出したくなるところからクッと曲がるから、ゴロの打球が多くなる。四球がなかったのもそのためだ。この球に加え、外角へ投げるストレート、チェンジアップのコントロールもいい。ヤングマンとともに、今後は他球団から相当マークされるだろうし、クイックやけん制、フィールディングなどは未知数。投手としてトータル的な部分を見ていかなければ本当の評価はできないが、デビュー戦のときのような投球ができるなら、一軍の先発ローテーション投手として使えるのではないだろうか」と高く評価していた。

強力救援陣がいれば……


 完成度が高く先発の柱として期待された。翌19年は8勝をマークしたが、その後は故障も影響して白星が伸びない。20年は4勝、21年は7勝、今年は5勝7敗、防御率3.18だった。スタミナ面が課題に挙げられるが、序盤で大崩れするケースが少ないため首脳陣は計算しやすい投手と言えるだろう。今季のロッテはセットアッパー・佐々木千隼の状態が上がらず、守護神・益田直也も救援失敗が目立って5位に低迷したが、強力な救援陣で逃げ切るのが必勝パターンだった。メルセデスが6回まできっちり投げて救援陣につなげば、白星はおのずと積み重ねられるだろう。

 心強い存在が、吉井監督だ。現役時代に日米通算121勝をマークし、引退後は日本ハムソフトバンク、ロッテの投手コーチを歴任。ダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希の「育ての親」として知られる。筑波大学大学院の人間総合科学研究科に進学し、理論派でも知られる指揮官はメルセデスの特徴を把握しているだろう。きっかけをつかめば、左腕エースとして覚醒する可能性は十分に秘めている。

写真=BBM
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