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オコエ、平沢大河、高橋純平…野球人生の正念場を迎えた97年生まれの「ドラ1」たち

 

 ドラフト1位で入団する選手は注目度が高い。将来を嘱望されるスター選手として期待されるが、プロの世界は厳しい。一軍で活躍する選手は一握りだ。1997年生まれの「高卒ドラ1」も明暗が分かれる結果となっている。それぞれ置かれた立場は違うが、高校時代の輝きをプロの世界でもう一度見せてほしいと願うファンは多いだろう。

現役ドラフトで巨人移籍



・オコエ瑠偉(巨人)
今季成績6試合出場、打率.200、0本塁打、0打点、1盗塁
通算成績236試合出場、打率.219、9本塁打、44打点、20盗塁

 今年から導入された現役ドラフトで、楽天から巨人への移籍が決まった。身体能力の高さは誰もが認めるだけに、新天地で力を発揮できるか。オコエは関東一高で走攻守3拍子そろった外野手として評価を高め、ロッテに入団した平沢大河の「外れ1位」で楽天に入団した。球団史上初の高卒野手で開幕一軍スタートを切ると、6月18日のDeNA戦(横浜)で同期入団の今永昇太から一軍初アーチ。交流戦では15安打をマークし、大谷翔平が持っていた高卒新人記録を塗り替えるなど51試合出場したが、その後は度重なる故障も影響して一軍定着できず。伸び悩む時期が続いているが、新天地で来年2月の春季キャンプから存在をアピールしたい。

3年ぶりの一軍出場も


ロッテ・平沢大河


・平沢大河(ロッテ)
今季成績13試合出場、打率.148、0本塁打、3打点、1盗塁
通算成績249試合出場、打率.195、7本塁打、49打点、10盗塁

 仙台育英高高校生No.1野手として名を馳せ、ロッテと楽天がドラフト1位で競合。ロッテが当たりクジを引き当てた。プロは高校生と技術、パワー、スピードとすべての面で違う。平沢は打撃力の向上が大きな課題だった。出場機会を増やすため、本職の内野だけでなく外野にも挑戦。2018年に自己最多の112試合出場に出場したが、故障に見舞われて20、21年は一軍出場なし。背水の陣で迎えた今年はオープン戦で好成績を残し、開幕戦にスタメンで抜擢されたが打撃で快音が聞かれず、4月下旬以降はファーム暮らしだった。イースタン・リーグで首位打者、最高出塁率のタイトルを獲得したが当然満足していない。母校の仙台育英高が今夏の甲子園で全国制覇を飾っている。先輩も負けられない。

試行錯誤を重ねる右腕



・高橋純平
今季成績 一軍登板なし
通算成績56試合登板、4勝3敗19ホールド、防御率2.63

 今季は春季キャンプで内転筋を痛めて出遅れ。復帰後も制球が不安定でファーム暮らしが続き、救援陣の層が厚い投手陣で一軍登板なしに終わった。県立岐阜商高で高校No.1右腕と評され、ドラフトで3球団が競合。2019年に救援で45試合登板、3勝2敗17ホールド、防御率2.65の活躍で日本一に貢献したが、20年以降は右肩の炎症、右第4中手骨基部骨折でパフォーマンスが低下。本来の能力を発揮できず、試行錯誤を重ねている。万全のコンディションを取り戻し、もう一度一軍のマウンドで信頼を取り戻したい。

今季初の2ケタ勝利をマーク



・小笠原慎之介(中日)
今季成績22試合登板、10勝8敗、防御率2.76
通算成績112試合登板、34勝42敗、防御率3.75

 東海大相模高で高3夏に全国制覇。最速152キロ左腕に、ドラフトでは高橋純平(ソフトバンク)の「外れ1位」で中日、日本ハムが競合した。背番号「11」を託されて先発の軸として期待されながら左肘痛に悩まされるシーズンが続いたが、プロ7年目の今季は自身初の2ケタ勝利をマーク。9月は5試合登板で4勝0敗、防御率1.51で月間MVPを獲得するなど、勝負どころでの快投が光った。大野雄大柳裕也のダブルエースにいつまでも頼ってはいられない。来季は2ケタ勝利がノルマで、投手タイトル争いに加わりたい。

写真=BBM
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