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DeNA3位・林琢真に「継続する大切さを教わった」 刺激を受けてプロ入り誓う仲間たち

 

「入団を祝う会」でリラックスした表情


俊足巧打の内野手の駒大・林[前列中央]はDeNAからドラフト3位指名を受けて入団。12月29日に出身の東邦高校野球部主催の激励会が行われた


 DeNAからドラフト3位指名を受けた駒大・林琢真内野手の「入団を祝う会」が12月29日、名古屋市内のホテルで行われた。

 東邦高校野球部が主催。林が高校時代に一緒に汗を流した同学年(2018年卒)を含めて、先輩と後輩の計5学年と保護者、関係者など約200人が出席した。

 16年卒、17年卒、18年卒、19年卒、20年卒の各学年が壇上に上がり、激励の言葉を述べた。代表者スピーチの後は写真撮影があったが、同級生の18年卒の際が林も最もリラックスした表情(写真)を見せていた。

 刺激を受けたのは当時の右腕エース・扇谷莉(法大)だ。18年春のセンバツに出場し、花巻東高(岩手)との1回戦で敗退した。法大では4年間で東京六大学リーグ戦7試合に登板(0勝1敗)。23年からは社会人・鷺宮製作所でプレーする。

「林は高校時代、シート打撃でも最も対戦したくないバッターでした。空振りを取るのが難しい。追い込まれてからでも、アウトコースを軽打して、レフト前に運ばれる。内角を突いても、少しでも甘く入れば、引っ張りで長打にされる。塁に出れば、足が速いのでチョコチョコと揺さぶりをかけてくる。厄介な存在でした(苦笑)」

 林は東邦高の野球部の専用グラウンドがある東郷町出身。ほとんどの部員は練習後、バスで名古屋市内まで移動するが、地元の林は車で約10分に自宅がある。帰りは家族が迎えに来てくれていたという。扇谷は明かす。

「学校のない週末など、自分たちがバスで到着すると、林はすでに木下コーチ(達生、元日本ハムほか)と早出練習。帰りも、自分たちがグラウンドを後にしても、木下コーチと居残り特訓を続けていました。しかも、毎日。継続する大切さを教わって気がします」

 同期のプロ入りに、148キロ右腕はハートに火がついた。

「自分も1日でも早く鷺宮製作所の戦力になり、都市対抗優勝を目指す。会社に貢献した上で2年後、プロを目指したいと思います」

野球を始めるきっかけに


 また、林の1学年後輩の熊田任洋は早大でプレー。23年のドラフト候補として注目される。

「林さんとは2年時から二遊間を組ませていただき、いつも野球に対する姿勢を学ばせてもらいました。大学でも電話で、いろいろと相談に乗っていただきました。来年、自分もプロを目指していきたいと思います」

 熊田の高校、大学を通じて1学年後輩の早大・吉納翼もあいさつした。

「駒大とオープン戦をさせていただいた際は、いつも一つひとつのプレーに度肝を抜かれていました。野球を教えていただきました。2年後、頑張ってプロを目標にしたい」

 林は会の最後に「多くの人の支えがあり、ここまで歩んでくることができました。今後は子どもたちが野球をやりたいというきっかけを与えられるように、未熟ですが、頑張っていきたいと思います」と感謝の言葉を述べた。

 1月7日に入寮予定で、8日には新人合同自主トレが始まる。信頼を置ける仲間たちと束の間の時間を過ごし、厳しいプロの世界へと飛び込んでいく。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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