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大谷翔平、塩見泰隆、近本光司…侍ジャパンの「一番打者」託される選手は

 

 来年3月に開催されるWBCで世界一を目指す侍ジャパン。国際試合では好投手相手になかなか得点が入らない。カギを握るのが、チャンスメーク役を担う一番打者だ。大谷翔平塩見泰隆近本光司西川龍馬……長打力、俊足、ミート能力…それぞれの選手が武器を持っている中、栗山英樹監督がリードオフマンに託す選手は――。

相手に重圧をかける存在


エンゼルス・大谷翔平[写真=Getty Images]


・大谷翔平(エンゼルス)
22年成績157試合出場、打率.273、34本塁打、95打点、11盗塁
MLB通算成績581試合出場、打率.267、127本塁打、342打点、66盗塁
NPB通算成績403試合出場、打率.286、48本塁打、166打点、13盗塁

 投打の二刀流で前人未到の記録を塗り替えてきた大谷。投手だけでなく、野手としての能力もメジャートップレベルだ。2021年に自己最多の46本塁打をマーク。シーズン終盤まで熾烈なタイトル争いを繰り広げ、26盗塁と機動力でもチームに大きく貢献した。8本の三塁打もリーグトップだった。村上宗隆(ヤクルト)、鈴木誠也(カブス)と共にクリーンアップを結成すれば破壊力抜群だが、打線を勢いづけるリードオフマンとして起用しても面白い。エンゼルスでは一、二番で起用されることが多く、相手バッテリーに重圧をかけていた。侍ジャパンでも「最強の一番打者」で起用の可能性は十分にある。

トリプルスリーに最も近い男


ヤクルト・塩見泰隆


・塩見泰隆(ヤクルト)
22年成績130試合出場、打率.276、16本塁打、54打点、24盗塁
通算成績374試合出場、打率.266、39本塁打、141打点、62盗塁

 現在のプロ野球界で、最もトリプルスリーに近い男だろう。リーグ連覇を飾ったヤクルトの切り込み隊長は攻守走3拍子そろったプレースタイルで、パンチ力もある。今季は5月27日の楽天戦(楽天生命パーク)で3打席連続アーチを記録。16本塁打&24本塁打はいずれも自己最多だった。日本シリーズでも打率.357をマーク。2年連続日本一は叶わなかったが、優秀選手賞に選ばれた。課題は好不調の波が激しいことだろう。スランプに入るとなかなか抜け出せない時期が見られた。昨年11月の強化試合では侍ジャパンに初選出され、「一番・中堅」でスタメン出場した強化試合・巨人戦で左中間にアーチを放った。WBC本戦でも「お祭り男」になれるか。

球界を代表するリードオフマン


阪神・近本光司


・近本光司(阪神)
22年成績132試合出場、打率.293、3本塁打、34打点、30盗塁
通算成績534試合出場、打率.292、31本塁打、171打点、121盗塁

 日本球界を代表するリードオフマンだ。プロ4年間で3度の盗塁王を獲得。俊足だけでなく、走塁技術にも磨きをかけ、3度目の盗塁王に輝いた今季は盗塁成功率85.7%を記録。上位10選手の中で最も高い数字だった。打撃も広角に打ち分ける高いミート能力で安打を積み重ねる。新人の2019年にセ・リーグ新人最多の159安打をマーク。21年は最多安打(178)を記録している。プロ入り後は侍ジャパンに縁がなかったが、昨年11月に初選出。栗山ジャパン初の対外試合となった日本ハム戦に「一番・中堅」でスタメン起用され、初回にチーム初安打の右前打を放った。コンスタントに実力を発揮できるのも強みで、短期決戦は頼りになる存在だ。

異次元の打撃センス


広島・西川龍馬


・西川龍馬(広島)
22年成績97試合出場、打率.315、10本塁打、53打点、2盗塁
通算成績712試合出場、打率.298、55本塁打、285打点、26盗塁

 投手からすれば、厄介な打者だろう。ワンバウンドのボール球をヒットコースに飛ばしたり、高めのボール球をスタンドに運んだりする。異次元の打撃センスは、広島でチームメートだった鈴木誠也(現カブス)が「天才」と評すほど。国際試合はストライクゾーンがNPBと異なり、初対戦の投手が多いが、西川は対応能力が高い。広島では度重なる故障で規定打席到達は2シーズンのみと際立った成績を残していないが、国際舞台向きの選手と言える。さまざまな打順で起用されているが、制約のない一番打者が最も輝きを放てるかもしれない。

写真=BBM
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