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WBC出場が当落線上の岡本和真に、「選ばれるべき選手」と待望論が

 

代表として大舞台に縁がない


昨年は納得のいかない成績に終わった岡本


 今年3月に開催されるWBC。注目されるのは「侍ジャパン」のメンバーだ。栗山英樹監督が今月6日に都内で記者会見を行った際、メンバー12人を先行発表。野手は鈴木誠也(カブス)、村上宗隆(ヤクルト)、源田壮亮(西武)、牧秀悟(DeNA)、甲斐拓也近藤健介(共にソフトバンク)の6人が選出された。最終メンバー登録は30人。残り18人は後日発表される。

 巨人の野手でメンバー入りが期待されるのが坂本勇人岡本和真の2人だ。今年から坂本から主将の座を継承する岡本は、20、21年と2年連続で本塁打&打点の2冠王に輝くなど実績十分の和製大砲だが、日の丸をつけてWBC、五輪など大舞台には不思議と縁がない。21年に金メダルを獲得した東京五輪でも本大会のメンバーから落選した。

 昨年は8月に四番を剥奪されるなど打率.252、30本塁打、82打点。不本意な成績に終わったが、5年連続30本塁打をマークしたことは評価されるべきだろう。岡本の強みは長打力だけではない。三塁の守備で21、22年と2年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞。三冠王に輝いた村上、首位打者経験があり守備も安定している宮崎敏郎(DeNA)を押しのけた。

少ない右の長距離砲


 他球団のスコアラーは、「岡本の守備のうまさは球界屈指。三塁だけでなく、一塁守備もハンドリングがいい。1点を争う国際試合は守備力がカギを握る。岡本を三塁、村上を一塁で起用する布陣がベストではないか。打順も七番あたりで起用したら相手バッテリーは脅威です。侍ジャパンに選ばれるべき選手だと思いますよ」と評価する。

昨年11月には侍ジャパンに選ばれ、試合に出場した岡本


 昨年11月9日に札幌ドームで開催された「侍ジャパンシリーズ2022」の豪州戦では、「七番・一塁」でスタメン出場し、1点差を追いかける2回一死二、三塁から逆転の2点中前適時打を放っている。侍ジャパンの布陣を見ると、左打者は村上、大谷翔平(エンゼルス)、吉田正尚(レッドソックス)と強打者がそろっているが、右の長距離砲は鈴木のみ。牧秀悟(DeNA)はミート能力に長けてパンチ力もあるが、岡本が打線に入ることで破壊力が増す。

新打撃コーチの岡本評


 巨人・大久保博元打撃コーチは週刊ベースボールのコラムで、「2008年、西武ライオンズで日本一になったときは、本塁打王、最多安打、最高出塁率、最多盗塁を西武の打者たちが獲得。今年も村神様、ヤクルトの村上(村上宗隆)が打撃三冠王になり、チームがリーグ優勝しています。やはり優勝するには、それくらいの記録を残す打撃陣が必要だということです。巨人に目を向けると、その部分ではやはり岡本。タイトル獲得が可能な打者だと思っています。当然、村上を抑えての本塁打王も十分にあると思います」と岡本の能力を高く評価した上で、こう綴っている。

「今年(22年)の不振は、何かメンタル的な部分があったのかなと思いますので、じっくり話し合いたいと思います。そしてここでは言えませんが、打撃フォームの中でひとつ気になる点があります。そこも話し合いながら修正できるようだと試していきたいです」

「08年当時、西武の四番にさんぺいこと中村剛也がいました。彼と岡本、2人とも豪打の右打者。似ているといえば似ていますが、似てない点があります。さんぺいは、軽くバットを振りながらクルッと体を回転させて打ちます。軽く見えますよね、スイングが。一方、岡本は少し重厚感のある打ち方です。でも一番の違いは、スイングの方法です。さんぺいはボールとバットの一点で当てていくので、落ちるボールなど外されると空振りしてしまいます。しかし岡本は、スイングの中でミートする幅があります。そのためフォームを崩されても、バットとボールの接地面が多くあることでヒットにしやすい。ここが大きな違い。打つポイントが多い分、勝負強い打撃ができるので本塁打と打点も挙げやすい。一昨年までそうでしたから、そこに戻すことができれば、巨人打線も強くなると思います」

 巨人V奪回のキーマンとなる岡本が、WBCで活躍する姿を見られるか。

写真=BBM
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