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中日のドラフト2位・村松開人は「立浪和義2世」 1年目から大ブレークの可能性が

 

安心感がある選手を目指して


今年、ドラフト2位で明大から中日に入団した村松


 最下位からの逆襲を狙う中日は、打線のメンバーが大幅に入れ替わりそうだ。各ポジションで激しいレギュラー争いが予想される中、注目されるのは二塁。レギュラーとして活躍していた阿部寿樹涌井秀章との交換トレードで楽天へ移籍。「空白地帯」と化したポジションで、定位置を奪おうと若手たちのモチベーションは高い。その一人がドラフト2位・村松開人(明大)だ。

 アマチュア野球を取材するスポーツ紙記者は、こう評する。

「ミート能力が非常に高く、空振りが少ない。選球眼も良く出塁率が高い選手です。当て逃げではなく、きっちり振れるので長打力もあります。走塁技術も高く、野球センスを感じさせる。中日は良い選手を獲得したと思いますよ。立浪和義監督の現役時代とプレースタイルが重なりますね」

 静岡高では2年春、3年春と甲子園に2度出場。遊撃として活躍していたが、明大に進学後は二塁へ。3年春にレギュラーに定着し、打率.366、7打点、5盗塁をマークして初のベストナインを受賞する。秋も打率.361、3打点、2盗塁の好成績で、プロのスカウト陣の評価を高めた。新チームで主将に就任。昨年2月に右膝を手術したが、4年秋のリーグ戦で打率.348、6打点、6盗塁をマークする。リーグ通算打率.323の高打率を残し、明治神宮大会で6年ぶり7度目の優勝を飾った。

 村松は週刊ベースボールの取材に対し、自身のプレースタイルについてこう語っている。

「凡打でも質にこだわりたい。足が速いぶん、内野ゴロでもプレッシャーをかけられるし、振り切った打球なら野手もファンブルしやすい。三振したら負け。簡単に飛球を上げてもいけない。守備では西武の源田(源田壮亮)さんのような、見ていて安心感がある選手を目指しています」

参考になるプレースタイルの先輩


 貧打による得点力不足が深刻な中日だが、村松が参考になるプレースタイルのチャンスメーカーがいる。通算2000安打に115安打に迫った安打製造機の大島洋平だ。広角に打ち分ける高い打撃技術で最多安打のタイトルを2度獲得。安定した成績を残し続け、37歳を迎えた昨季も打率.314、1本塁打、20打点、11盗塁をマークした。史上最年少の22歳で三冠王を獲得した村上宗隆とシーズン終盤まで熾烈な首位打者争いを繰り広げた活躍は、見事だった。

立浪監督も現役時代、小柄だったが二塁打を量産するなど好打を発揮した


 村松は身長171センチとプロでは小柄な部類に入る。だが、指揮官の立浪監督も身長173センチと決して体格に恵まれていなかった。高卒入団1年目は遊撃手でリーグ優勝に貢献し、新人王を獲得。その後は二塁にコンバートされ、攻守の中心選手に。中日一筋22年で日本記録の487二塁打、プロ通算2480安打をマークした。2ケタ本塁打を9度マークするなど通算171本塁打を放っている。二塁打の日本記録を打ち立てたのも、きっちり振り抜き、右中間や左中間を割る打球が多かったからだ。村松も本拠地が広いバンテリンドームで本塁打は多く望めないが、二塁打や三塁打は量産できる。

 明大の先輩である阿部の背番号「5」を継承したのも、運命的なものを感じる。新人で二塁のレギュラーをつかみ、目標に掲げる打率3割をクリアして新人王へ――。その挑戦は決して夢物語ではない。巻き返しを狙うドラゴンズのキーマンになれるか。

写真=BBM
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