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小林誠司、會澤翼、田村龍弘…背水の陣迎えた「かつての正捕手」たち

 

 かつて正捕手として活躍していた選手たちが、レギュラー奪回に燃えている。扇の要である捕手のレギュラーは1枠のみ。若手が台頭する中で奪い返すのは容易ではないが、ベテランならではの経験値がある。小林誠司會澤翼田村龍弘……侍ジャパンでもプレー経験がある彼らは、もう一度輝きを取り戻せるか。

何よりも打力アップを


巨人・小林誠司


・小林誠司(巨人)
今季成績60試合出場、打率.148、0本塁打、5打点、0盗塁
通算成績745試合出場、打率.208、15本塁打、142打点、8盗塁

 4年契約最終年の今季は、野球人生の分岐点になりそうだ。正捕手奪回に向け、最重要課題は打撃力の向上だ。2020年から打率.056、.093、.148では厳しい。打力が売りの大城卓三は守備能力も上がっている。捕手で昨年のスタメン出場は小林が29試合に対し、大城は104試合。大きく差をつけられた数字が、現在の立ち位置を物語っている。

 自慢の守備でもアピールしなければいけない。球界屈指の鉄砲肩で知られ、14、15年は規定試合数に到達しなかったが、盗塁阻止率が2年連続4割超え。16年から4年連続リーグトップに輝いた。だが、昨年は盗塁阻止率.214と入団以来最も低い数字に。投手との共同作業のため小林だけの責任ではないが、他の捕手を圧倒する数字を残したい。配球術、フレーミング技術に定評があり、菅野智之を筆頭に多くの投手から絶大な信頼を寄せられている。開幕前の実戦から、変身した姿を首脳陣にアピールしたい。

坂倉との競争に勝ち抜いて


広島・會澤翼


・會澤翼(広島)
今季成績98試合出場、打率.207、3本塁打、33打点、0盗塁
通算成績951試合出場、打率.257、71本塁打、332打点、5盗塁

 3年契約最終年の昨年は悔しさにまみれた。コンディションが整わず、盗塁阻止率.180はリーグワースト。自慢の打撃でもふるわなかった。今年は坂倉将吾が三塁から捕手にコンバートされる。強力なライバルとなるが、會澤にも意地がある。規定打席に到達したシーズンは2019年の1度のみだが、強打と投手の良さを引き出すリードでチームを支えてきた。18年は106試合出場で打率.305、13本塁打、翌19年は126試合出場で打率.277、12本塁打をマークし、3年連続のベストナインを受賞。捕手で3度の受賞は達川光男と並び球団最多タイの快挙だった。

 同年オフのプレミア12では侍ジャパンの正捕手で初優勝に大きく貢献。コミュニケーションを丁寧に取り続け、他球団の投手からも信頼を寄せられた。坂本勇人(巨人)、田中将大(楽天)、柳田悠岐らタレントがそろう「88年世代」の1人で、今年35歳を迎える。坂倉とのハイレベルな正捕手に要注目だ。

背番号も変更し心機一転


ロッテ・田村龍弘


・田村龍弘(ロッテ)
今季成績2試合出場、打率.200、0本塁打、0打点、0盗塁
通算成績843試合出場、打率.227、17本塁打、220打点、19盗塁

 昨季はプロ10年目で自己最少の2試合出場に終わった。故障で出遅れると、高卒ドライチルーキーの松川虎生佐藤都志也の後塵を拝する形に。オフはシーズン中に取得した国内FA権を行使せずに残留を決断。2017年から背負っていた背番号「22」から「27」に変更し、再スタートを切る。吉井理人監督が就任し、捕手陣も熾烈な競争が予想される。求められるのは「チームを勝利に導く捕手」だ。

 田村は強気なリードと強肩を武器に、高卒3年目の15年に正捕手を奪取。リーグトップの盗塁阻止率.429をマークし、18年には全143試合でマスクをかぶった。24歳以下の捕手でシーズン全試合出場したのは、史上4人目だった。だが、19年以降は故障が目立つようになり出場機会を減らしていく。28歳と捕手としてはまだまだ若い。悔しさを糧に、正捕手に返り咲けるか。

写真=BBM
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