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法大野球部OB会の新会長に小早川毅彦氏が就任「野球部の支援」「女性の参画」「地方活性化」示した3つの運営理念

 

テーマは「見える化」


法友野球倶楽部[法大野球部OB会]の新会長に小早川毅彦氏[元広島ほか、左]が就任。前会長・山中正竹[全日本野球協会会長、右]からバトンが受け継がれた


 母校への愛情がにじみ出ていた。法友野球倶楽部の総会が1月14日、東京都内のホテルで行われ、新会長に小早川毅彦氏(元広島、ヤクルト)が就任した。9年務めた前会長の山中正竹氏(全日本野球協会会長)から、HOSEIへの熱き思いが継承されたのである。

「基本精神はプレーヤーズファースト。法政大学、野球部のために恩を返していく。一人でも多くの方々にOB会活動に参加していただきたい。これまで以上に分かりやすい会にしたい」

 テーマは「見える化」。約1500人野球部OBを束ねていくにあたり、3つの運営理念を示した。

1.野球部の支援
 現役部員が結果を残せるためのバックアップを惜しまない。有力高校生の情報を共有し、入学へとつなげていく。卒業後の進路へ向けた助言。入口、現場、出口の充実を図る。

2.女性の参画
 大学在学中、女子マネジャーを務めたOGの有能なマネジメント能力を、OB会運営に最大限に発揮していく。

3.地方活性化
 本部(事務局)と各支部(北海道、東北、北信越、東海、関西、中国、四国、九州)との一体感の醸成。首都圏だけでなく、全国のOB・OGが支援する機運を高める。

 この3つを実現させた上で、小早川会長は「法友会の皆さんで共有する」と、法大野球部の父・藤田信男先生(元部長、元監督、1987年に野球殿堂入り)の教えを、あらためて説いた。

「俱楽部会員自らがスポーツマンシップを追求・体現し、品性・知性のある振る舞いで、学生から目標とされる存在を目指す」

学校、野球部、OB会が三位一体で


 山中前会長は春、秋の東京六大学リーグ戦をほぼ全試合、神宮で観戦し、後輩たちを見守ってきた。小早川新会長は「私も山中さんに近づけるように頑張る」と、リーグ戦観戦にとどまらず、全国各地で行われる支部単位での会合・行事にも、積極的に足を運ぶという。

「法政大学野球部OBとしての誇りと自覚を持って臨み、全力で努めてまいります」

 OB会総会後に行われた新年会では、プロで先輩にあたる2人が激励。田淵幸一相談役(元西武ほか)は「皆さん、協力していただきたい」と出席者に呼びかけると、広島で選手、監督として関係のあった山本浩二相談役は冗談交じりに、愛情たっぷりのエールを送っている。プロ野球で同じ釜の飯を食べた仲。メッセージから、2人の強い絆を感じた。

「頼りになりませんが(苦笑)、各スタッフで、フォローをお願いします」。いつも温厚な小早川氏は、誰からも慕われる性格である。学校、野球部、OB会が三位一体となり、現役学生をサポートする体制が整った。

 2020年1月以来、3年ぶりの対面でのOB会。過去2年のオンライン開催とは異なり、出席者全員が、人と人とのつながりの大切さをあらためて実感した。就任3年目の加藤重雄監督、今泉颯太主将(新4年・中京大中京高)も、OBからの期待を肌で感じた。2020年春を最後に遠ざかるV奪還へ、決意を新たにした。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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