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メジャーが熱視線 山本由伸、佐々木朗希と共に注目される「中日の右腕」は

 

「侍ジャパンの投手陣は宝箱」


昨年は高卒2年目で6勝をマークした高橋宏


 ダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)とメジャーを代表する右腕2人が侍ジャパンの一員として、WBCに参戦することが決まった。ダルビッシュは先発の軸で計算できる。大谷は投打の二刀流で起用されるのか不透明だが、投手として登板した場合はチームにもたらすプラスアルファが大きい。

 NPBの投手たちも実力者ぞろいだ。2021、22年と史上初の2年連続「投手5冠」に輝いた山本由伸、4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合を達成し、“世界記録”の13者連続三振を樹立するなど、常時160キロを超える直球で異次元の投球を披露した佐々木朗希(ロッテ)をは特に注目度が高い。メジャーのスカウトが熱視線を送る中、もう1人の右腕も海外から注目されている。中日の右腕・高橋宏斗だ。

 メジャー関係者は「侍ジャパンの投手陣は宝箱みたいだよ。メジャーですぐに通用する投手がたくさんいる。山本、佐々木はもちろんだけど、今永昇太伊藤大海も投げっぷりがいい。あとメジャーのスカウト陣の中で人気が高いのが高橋宏。まだ高卒2年目でこれからどんなすごい投手になるか想像できない。直球は力強く、落差が鋭いスプリットで三振を取れる。制球も安定しているから四球で崩れる心配がない。WBCでどんな投球を見せてくれるか楽しみだね」

宮城、奥川の活躍が刺激に


 高卒1年目の一昨年は一軍登板なし。ウエスタン・リーグで14試合登板し、0勝5敗、防御率7.01だった。励みになったのは、高卒2年目でブレークした他球団の先輩たちの姿だったという。宮城大弥(オリックス)は23試合登板で13勝4敗、防御率2.51の大活躍で25年ぶりのリーグ優勝に貢献。奥川恭伸(ヤクルト)も18試合登板で9勝4敗、防御率3.26と頭角を現し、巨人と対戦したCSファイナルステージ初戦では98球の快投でプロ初完投初完封勝利を飾った。

 高橋宏は昨年5月に週刊ベースボールのインタビューで、ドラフト1位の重圧を否定した上で、「こっちのほう(宮城と奥川の活躍)が刺激になりました。成績で実際に示してくれて自分もできる、それくらいやらなければと思わせてくれました。ありがたかったです」と発奮材料になったことを明かしている。

最下位チームの希望の光


 2年目の昨年は春季キャンプから存在を強烈にアピールした。実戦登板で150キロを超える直球、フォーク、スライダーがきっちり決まり、1年目から見違える姿に進化していた。ツインズの前田健太が自身のツイッターで、「YouTubeで紅白戦をちょっと見ただけですが中日の背番号19のピッチャー良くないですか? 吉見さん引退されてるので新しい選手かな?」とつぶやいて話題になるほどだった。

 まだ体が成長段階のため登板間隔を空けながらの登板だったが、積んでいるエンジンが他の投手と明らかに違った。コンパクトなテークバックから常時150キロを超える快速球に、打席に立った他球団の打者が驚きを隠せなかった。7月7日のDeNA戦(横浜)では球団日本人記録の最速158キロを計測。116回2/3と規定投球回数に到達していないにもかかわらず、リーグ3位の134奪三振をマークした。昨季は19試合登板で6勝7敗、防御率2.47。6年ぶりの最下位に低迷した中日で、希望の光だった。

 中日を取材するスポーツ紙記者は、「直球、変化球の質はセ・リーグでもトップレベルでしょう。あとは先発ローテーションできっちり回って、長いイニングを投げられるスタミナが必要になってくる。大野雄大柳裕也のダブルエースがいますが、押しのけるぐらいの活躍を見せれば優勝にぐっと近づくと思います」と大きな期待を寄せる。

 WBCでは、4、5回から登板する「第2先発」で起用される可能性が高い。日の丸を背負った高橋宏がどんな投球を見せてくれるか、楽しみだ。

写真=BBM
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