週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

ロッテ移籍のポランコ 他球団が「日本野球に慣れたら40発打つ」と警戒

 

指名打者で起用されれば


2022年は巨人で24本塁打を放ったポランコ


 外国人野手の活躍はチームの命運を左右する。リーグ連覇を飾ったヤクルトホセ・オスナドミンゴ・サンタナが不動の四番・村上宗隆の後に控えていることで、破壊力抜群の打線が実現している。

 昨季5位に低迷したロッテは打線強化がポイントの1つだった。97本塁打はリーグ5位。山口航輝の16本塁打がチームトップでは寂しい。長距離砲の補強で白羽の矢を立てたのが、元巨人のグレゴリー・ポランコだった。

 メジャーではパイレーツで8年間プレーし、823試合出場で打率.241、96本塁打、362打点、98盗塁。長打力と俊足を兼ね備えたスケールの大きいプレースタイルで、巨人ではクリーンアップを期待された。推定年俸2億5000万円で入団したが、138試合出場で打率.240、24本塁打、58打点。本塁打をコンスタントに打っていたが、確実性を欠いて打率がなかなか上がらない。神宮では打率.357、7本塁打、15打点をマークし、横浜スタジアムでも打率.321と上位2球団の敵地で奮闘したが、シーズン終盤も好調を継続できなかった。

 右翼の守備範囲が狭いこともネックに。仲がいいアダム・ウォーカーは124試合出場で打率.271、23本塁打、52打点をマークしてインパクトを残して契約延長を勝ち取ったが、ポランコは1年限りで巨人を退団することが決まった。

 守備の負担がなくなる指名打者で起用されれば、打撃が好転する可能性が十分にある。日本野球を1年経験したことも、大きなプラスだ。他球団のスコアラーは「ポランコは巨人も契約延長を迷ったと思います。飛距離はすごいし、広角に打ち分けることもできる。日本野球の配球に慣れたら、打率は上がるでしょう。今年は30発どころか、40発打つ可能性がある」と警戒を口にする。

ブライアントのように……


豪快な本塁打を連発したブライアント


 豪快なアーチで大きなロマンを抱かせる助っ人砲が、過去にもいた。元近鉄のラルフ・ブライアントだ。ポランコと違い、メジャーで目立った実績はなく、88年5月に中日に入団。外国人枠の兼ね合いもあり、ファーム暮らしが続いていたが、6月に転機が訪れる。近鉄はリチャード・デービスが大麻不法所持で逮捕されて退団したため、ブライアントを金銭トレードで獲得する。この緊急補強がものの見事に当たった。

 同年に74試合出場で打率.307、34本塁打と驚異的なペースで本塁打を量産。翌89年の活躍を鮮明に覚えている野球ファンは、少なくないだろう。王者・西武と熾烈な首位争いを繰り広げ、10月の直接対決で郭泰源渡辺久信(現西武GM)から1試合3本塁打を放ってリーグ優勝に導いた。NPBでプレーした8年間で本塁打王3度、打点王を1度獲得。93年にはNPB最多の204三振を喫するなど5シーズンでリーグ最多三振を記録したが、球史に名を刻む強打者だった。


「パワー!」で盛り上げる


 ポランコも新天地で求められるのは一発だ。多少粗くても、本塁打を量産すれば、存在価値が高まる。

 ロッテに入団が決まり、「この機会を与えてくださった吉井監督とマリーンズの皆さまに心から感謝します。今シーズン、日本で一生懸命プレーしてきました。そして、また、2023年シーズンに日本に戻って来ることができ、マリーンズの一員としてファンの皆さまの前でプレーできることにワクワクしています。監督、コーチ、チームメートに早く会って一緒に野球ができることを楽しみにしています。これまで以上に最高のパフォーマンスを発揮できるよう全力を尽くすことを誓います。皆さま、一緒に日本一になりましょう!」と球団の公式ホームページでファンに呼びかけている。

 熱狂的な応援を背に、本塁打を打ったあとのパフォーマンス、「パワー!」で盛り上げたい。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング