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巨人の大城卓三と小林誠司に、他球団から「最強の捕手コンビ」と高い評価が

 

侍ジャパンに選出された大城


巨人で正捕手格の大城


 WBCで覇権奪回を目指す侍ジャパンで、巨人・大城卓三が捕手の枠に選出された。森友哉(オリックス)が出場辞退したことも影響しているが、その実力が高く評価されたことは間違いない。

 巨人が2021、22年と2年連続V逸したことで、正捕手格の大城に対しては風当たりが強い。扇の要と言われるポジションの宿命だが、攻守で能力は高い。昨年は115試合出場で打率.266、13本塁打、43打点をマーク。この数字は12球団の捕手の中でトップだ。守備でも21年にリーグトップの盗塁阻止率.447をマークし、昨年も中村悠平(ヤクルト)に次ぐリーグ2位の.349を記録した。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は、「大城の成績は十分合格点をつけられる。それでも物足りなく感じてしまうのは、名捕手の阿部慎之助(現一軍ヘッド兼バッテリーコーチ)と比較されるからでしょう。時代が違いますし、ちょっとかわいそうだなと思います。配球面が批判されますが、若手投手たちをうまくリードしている。もう少し評価されてもいいかなと感じます」と語る。

互いの弱点を補う


今年でプロ10年目を迎える小林


 その大城の前に正捕手を務めていたのが、今年プロ10年目の小林誠司だ。自慢の鉄砲肩を武器に16年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマーク。17年に開催されたWBCでは正捕手を務め、打撃でもリーグトップの打率.450、1本塁打、6打点と気を吐いた。ところが、19年以降はその打撃が課題となり、出場機会を減らしていく。20年は打率.056、21年は.093、昨年は.148と寂しい数字だ。

 途中出場の機会が多いが、小林は数字で測れない安心感がある。投手の良さを引き出す配球術で信頼を寄せられ、勝ち試合の「抑え捕手」を務めることも。今年は正捕手奪回を目指すが、他球団のスコアラーは意外な見方をする。

「大城と小林のコンビは互いの弱点を補う最強のペアだと思います。年齢や打力を考えたら小林が正捕手に返り咲くのは現実的ではない。基本的に大城が正捕手で、小林が2番手捕手という位置づけで今年も戦うと思います。今の時代は正捕手を1人で固定しているチームのほうが少ない。大城が軸で、小林は6連戦のうち1試合スタメン出場で回ると思います。小林は守備面の衰えを指摘する声がありますが、あの経験値はまだまだ若手はかなわない。捕手の途中出場は難しい。勝ちゲームで逃げ切るのは誰もが務まるポジションではない。小林は適任だし、起用法次第で大城と共に輝けると思います」

捕手併用性の時代


 確かに、各球団が絶対的捕手を据える時代ではなくなっている。リーグ連覇を飾ったヤクルトも、中村が故障で春先に出遅れた影響があったがスタメン出場は75試合。成長著しい内山壮真がベテラン・石川雅規の先発登板時にマスクをかぶるなど、36試合でスタメン出場した。また、昨季26年ぶりの日本一に輝いたオリックスもスタメンマスクの内訳をみると、22年オフに日本ハムへFA移籍した伏見寅威がチーム最多の66試合、若月健矢が52試合、頓宮裕真が22試合と投手との相性や、対戦相手によって使い分けた。西武の正捕手・森友哉をFAで獲得したが、この補強がチームにどう左右するか。捕手出身の中嶋聡監督がどう起用するか興味深い。

 巨人は捕手陣をどう運用するか。3年ぶりのV奪回に向け、大城と小林がカギを握る存在であることは間違いない。

写真=BBM
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