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父・和博氏と同じ四番に! 慶應・清原勝児がセンバツで成し遂げたい3つのテーマ

 

「KEIO日本一」をモットーに


慶応高・清原勝児は右打者。勝負強い打撃が持ち味で、三塁守備も堅実。明るいキャラクターであり、チームに欠かせない存在だ[写真=矢野寿明]


 第95回記念選抜高校野球大会の選考委員会が1月27日、大阪市内で行われ、出場36校が決まった。

 慶応高(神奈川)は5年ぶり10回目の出場。NPB3球団で通算525本塁打を放った清原和博氏の次男・勝児内野手が初の甲子園切符をつかんだ。

 三塁手のレギュラーとなった昨秋、公式戦全12試合に出場し、打率.400、2本塁打、14打点と、神奈川県大会準優勝、関東大会4強進出に貢献した。

 父はPL学園高(大阪)で1年夏から3年夏まで、5季連続フル出場。歴代トップの通算13本塁打をマークした。全国制覇を遂げた3年夏(1985年)以来、38年ぶりに、マンモススタンドに「清原」がコールされる。

父・清原和博はPL学園高[大阪]で甲子園歴代最多の13本塁打。勝負師の目は、息子とそっくりだ[写真=BBM]


 清原は今春のセンバツで成し遂げたい、3つのテーマがある。

 まずは、言うまでもなく、初優勝である。「KEIO日本一」をモットーとしており「常識を覆す」と、新たな高校野球のスタイルを発信したいと考えている。指導者からの「指示待ち」ではなく、部員主体で課題を考え、知恵を絞り、実行に移し、目標を達成する。号令がないと動けない「思考停止」の人間は、必要とされていない。頭髪は「横並び」の丸刈りではなく自由。課題と向き合い、もがき苦しんだ先に、合言葉の「エンジョイ・ベースボール」を完結させる。「試合で楽しむ」ことを実現するには、部員個々の自覚と責任が問われ、高いレベルが求められている。

 選手として、チームを勝利に導くのが大前提である。清原が結果として、こだわるのは、甲子園での本塁打だ。「父の甲子園での映像を見てきました。一番、印象に残るのは、最も飛距離を出したホームランです」。清原は昨秋までに通算8本塁打。父からの教えである「センター返し」を貫き、「(甲子園の)バックスクリーンに打ちたい」と目を輝かせる。

三塁の守備も軽快


三塁手・清原は昨秋以降、父が巨人オリックスで着けた背番号5でプレーする。主に一塁を守る長男・正吾[23年に慶大3年]も昨春のフレッシュトーナメント[2年生以下でチーム編成]から着けている、思い入れのあるナンバーだ[写真=高野徹]


 最後に打順である。昨秋は七番打者として、存在感を発揮。今春のセンバツに向けて自ら希望するのは、父の指定席でもあった四番だ。

「良くも悪くもゲームを左右するのが四番。自分がチームを勝たせたい」

 母校・慶応高を指揮する森林貴彦監督は「(清原が)候補の一人であることは間違いない」と、横一線を強調する。3月4日に解禁される練習試合での結果を踏まえ、チームとしてのベストの布陣が組まれる予定だ。

 打撃ばかりに目がいくが、三塁守備も軽快である。

「入学したころは、技術がなかった。地道に練習に付き合ってくれた指導者に感謝したい」

 グラブさばきが柔らかく、スローイングが安定しているのも、センス抜群だった父親譲り。常に明るいキャラクターで鼓舞し、チームに欠かせない存在となっている。

 組み合わせ抽選会は3月10日に予定されており、大会は3月18日に開幕する。巨人、オリックスで着けた父と同じ、背番号5・清原のプレーから目が離せない。

文=岡本朋祐
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